格安3Dプリンターと聞くと「自作?」「小さいやつ?」というイメージですが、違います。ここで紹介するのは「半自作」のススメです。
まず始めに、3Dプリンターの原理、構造は
「XYZ軸に動くヘッドやベッドがあり、細いフィラメントの径をさらに過熱したノズルで絞って細くしてベッドに吐出する。その移動量や吐出量を機械で正確に操作する」
というごく単純な構造だけど、それを正確に操作するという機構を自前でプログラム君で作るのはかなり難しいんですよね。
しかし、現在オープンソースでそれらのシステムを公開してくれているプロジェクトが自作3Dプリンター系RepRapプロジェクトです。
家庭用格安3Dプリンターとして登場している機種でもこのRepRap系のプリンターは多いです。
RepRapを利用してArduinoにファームウェアを焼けば制御用マザーボードは完成します。「Marine」が有名です。
そしてさらにモーターを動かすのに必用なモータードライバとノズルやベッドの加熱用ヒーターの電流を制御するのがFETと呼ばれる部品で、それらを統括して簡単に接続するためにファームウェアに対応した基盤までが用意されています(ファームウェアMarrineなら対応している基盤は「RAMPS」が有名)。
Amazonではこの制御基盤一式がなんと4000円弱で手に入ってしまいます。
どうでしょう?以外と難しいと思えた制御機構を作り上げること自体はお金も含めて簡単だということがお解りいただけると思います。
さて、では
3Dプリンターを自作する上で一番手間とお金がかかるところはどこでしょう?
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答え、3Dプリンター筐体です。
物理的機構を含めた本体が一番作るのに手間がかかり、お金がかかります。
カップリング
スライドレール
ドライブギア
送りネジ
ベアリング
ヒーター
ヒートブロック
ノズル
サーミスタ
ヒートベッド
リミットスイッチ
などなど・・・セット販売ももちろんありますが、完全自作をしようと思うと格安3Dプリンターの値段なんて簡単に超えてしまいます。
そして、何よりネックなのが”丈夫な筐体”です。
3Dプリンターはヒーターやヒートブロック、ファンやヒートシンクといった重たいヘッドを高速に移動させる必用のある機械ですから、筐体が丈夫でないと出力がブレて綺麗なプリントが出来ません。
剛性の高い筐体を作ろうと思うと加工が難しく値段も高く、簡単に安く仕上げると剛性が低くなる。
というジレンマに陥ります。
さて、筐体を安く丈夫に手に入れる良い方法は本当に無いでしょうか?
あります!
「自分で作らない」という方法。
しかも確実に動く方法です!
そう!
3Dプリンターを破格で手に入れる方法とは
「ジャンクプリンターを修理して使う」
という方法です。
実は僕が実際に使っている3Dプリンターはプリント不良のジャンク品を手に入れて修理したもので、さらに使いやすいようエクストルーダー等自分でカスタムして使っています。
実質1万円かかっていないのです。
RepRap系の3Dプリンターはジャンク品といえども筐体さえ無事であれば中身は公開されているRepRapデータをそのまま利用できますので、筐体の丈夫な物をジャンクとして手に入れることが出来ればかなりそれだけでお安くプリンターの筐体と物理的な装置を手にする事が出来るのです。しかも組み立て済み!そしてオリジナルとして改造しやすいという利点があります。
自作プリンターはXYZ軸の組み立てには精度を求めてネジ締めやら角度調整やら面倒な事が多いですが、ジャンクの箱形プリンターなら元々レールの水平や筐体の角度は出してある市販の筐体ですので安心です。さらにベアリングやカプラーといった1つ1つ揃えると結構なお値段のものが纏めて手に入るので超お買い得なのです。
高価な新品のプリンターを手にしたとして、気に入らない部分を改造する気になかなかなれないでしょう。しかし、ジャンク品なら「別に壊れてもいーや」という気持ちで容易に改造が出来ます。
新たに自作3Dプリンターキットを買って作るより、ジャンク品を修理して使う!
これこそエコロジーであり、3Dプリンターの勉強になり、時間の効率化になり、躊躇なく精度を求める改造が出来ます。
そして無事に動いたなら間違いなく自慢の愛機になることでしょう。
最近では少し前の3Dプリンターブームもあってジャンク品がかなりの破格で登場しています。
その中でも筐体の丈夫そうな(できれば金属箱型)ものが手に入れば最高です。
使いやすそうなジャンク品の選び方
- RepRap系の3Dプリンター
- 丈夫な箱形
- 出来れば金属製
- 「吐出不良」とか故障箇所が一カ所、あるいは原因の解りそうなもの、簡単に部品が手に入るもので修理出来そうな物。
是非程度の良いものをオークションやフリマアプリを利用して1つ手に入れて修理して使い倒しましょう。