家庭用太陽光発電システムの普及は目覚ましいものがあります。
これは売電価格が電気使用料金を上回っているので成り立つものです。
例えば、電気の買い取り価格が使用価格の2倍であれば、家庭の使用電気料の半分発電すれば差し引きゼロになる計算になるというものです。
今回の自作というのは、買い取りを目的とするものではなく、車のバッテリーに蓄電して使用する小電力発電蓄電システムです。
物置に設置して車のバッテリー上がりの時や自転車の空気入れなんかに重宝しています。
また、緊急時の非常用電源としても使えます。
用意するもの
順番に見ていきましょう(※写真クリックでAmazonの販売ページに飛びます)
1.太陽光パネル
まず、これが無いと発電しません。
屋外で使用するため防水仕様のものを選びましょう。
そっくりでも車のダッシュボードに置くタイプのものでは話になりませんよ。
↑は10Wタイプのものですが、使う用途によって選択する必用があります。
例えば、日中に発電しておいて夜間のセンサーライトに使うという用途や日中に発電しながらラジオを聞くという小電力な用途であれば10Wでも充分そうです。
しかし、発電しながらパソコンを使用するとなると発電量が不十分な為にバッテリーからの電力供給が主になって目的に沿わないでしょう。
この場合、ソーラーパネルの容量を増やす必用があります。
(太陽光発電の買い取りが無くなったらソーラーパネルも投げ売りされるかもしれませんね↓)
今回、僕は時々パワーを必用とするヘビーな使い方(12Vのシガーソケット型空気入れや掃除機)
をするという目的を達成出来ると踏んで20Wのチャージコントローラーがセットになったものを購入しました↓
チャージコントローラーに付いては後に触れます。
2.屋外用電線
ソーラーパネルからチャージコントローラーまでは屋外用の耐光性のある電源ケーブルが必用です。
タイヤケーブルやVCTなどの被膜に耐光性のあるケーブルを選択する必用があります。
ホームセンター等で切り売りもしています。
許容量をソーラーパネルの容量に応じて選択する必用があります。
3.コーキング剤
屋外から屋内にケーブルを引き込む際の浸水防止に使用します。
屋外から線を引き込む場合、屋外で一度プランと垂れ下がった状態を作るのが大事です。雨水が線を伝って低い場所に寄るからです。
間違っても高い位置から低い位置に直接線を引き込んではいけません。浸水します。
(記事下の「接続方法」の項で記載しています。)
4.電源コード、スイッチ類
屋内用の電源ケーブル
チャージコントローラーからバッテリーやインバーターへ出力するケーブルです。
屋内の用途であれば耐光性のものは必用ありません。
許容量は出力に応じて選択する必用があります。
スイッチはソーラーパネル等の手動制御に使います。あっても無くても良いです。
たとえば、あっては困りますがチャージコントローラーの暴走など不測の事態でバッテリーが発熱した時など、手動で制御出来れば応急処置が出来ます。
5.チャージコントローラー
バッテリーを過負荷から保護するための大事な器具です。
大きく中国産で安いPWM方式のものと効率の良い充電を目指したMPPT方式というものがあります。
僕は使うバッテリーの容量が少ないので安いPWM方式のものを選択しました。
目的に合わせて選択しましょう。
基本的機能には
・充電電圧制御(無い機種もある)
バッテリーへの充電電圧が高くなりすぎないよう制御して安全に充電を行います。
・過充電防止
バッテリーが満充電になったにも係らず充電を継続しないよう、満充電時にはソーラーからの充電を中止します。
・過放電防止
バッテリー電圧が下がったときに、自動的に給電を中止します。
付加機能として
・電圧監視
モニターでバッテリーの電圧の確認が出来ます。
・タイマー設定
夜間のみ給電する等の設定が出来ます。
6.バッテリー
バッテリーの40や60という数字は5時間に流せる最大アンペア数を意味します。
当然数値の大きいものの方が満充電時の容量は大きく、12V機器も長時間使えますが充電時間も必用ですので太陽光パネルの容量や使う頻度に合わせて吟味する必用があります。
バッテリーは充電をすると水素ガスが発生します。太陽光パネルの出力があまりに大きすぎると危険です。
安全な充電電流はバッテリーアンペア数の1/10程度とされていますので、容量40の場合は4A、容量60の場合は6A程度と考えておきましょう。ジワジワ充電する方がバッテリーにも優しいです。
20Wのソーラーパネルの場合、電圧によりますが電圧が20Vだとすると1A程度、それにPWM方式のチャージコントローラーで電圧カットされていますから実際には1A未満での充電でしょう。
僕は軽自動車の古いバッテリー(まだ使えるもの)を再利用して使っています。
また、バッテリーとの接続にはバッテリー端子用コネクタが必用です。
ネジ固定のもの、クリップ式のものなど用途に合わせて選びましょう。
僕はいざバッテリーを移動させるという時には簡単に外せるようクリップ式を選びました。
7.12V対応機器
DC-ACインバーター、これがあれば家庭用100V機器が使えます。余裕のある容量のものを選びましょう。
↑こちらは1000Wモデル
いろいろなタイプのものがあります。
待機電力もありますので繋ぎっぱなしにするのか、たまに繋ぐのか等使用頻度と相談して決めましょう。
車載用空気入れ、自転車やボールなど手動のポンプより楽なのでオススメです。
車用サイクロン掃除機、便利です。
コード長はしっかり考えて選びましょう。
再度書きますが
雨天時に機械に水が浸水しないように配線には充分に気をつける必用があります。
バッテリーは充電時には水素ガスを発生させます。水素に引火すると爆発炎上します。
くれぐれも自己責任でお願いします。
接続方法
この商品の場合を例にしますと
こういう配線になります。配線自体は簡単ですね。
気をつけるべき点として、漏電防止処置として★印の所は必ず線を垂れ下げておきましょう。雨水は一番下がった所まで伝います。
屋外、屋内の2カ所ぐらいに垂れ下げた部分を作っておくと、万が一の吹き降りで屋内に浸水した場合でも安心です。
また配線を分配する場合、この差し込みコネクタが1つあると便利そうです。
車のスターターほどの大電流を流す用途が無いのであればチャージコントローラー内蔵の「ポータブル電源」という商品を使うと持ち運び易いですし、配線も太陽光パネル1枚で済みますのでご紹介しておきます↓