先日、某花火大会会場でこんな光景を目にしました。
女子中学生らしき子達が2人で場所取りをしている所へプンスカ怒っている友達1人が合流してこう言いました。
「ちょっと!あんたら!何回もLINE送ってるのに全っ然見てないってどーゆーことよっ!?(怒)」
先に場所取りしていた子達はポカーン。
「え?なに?LINE来てないけど?」
「え?なんで?送ったやんっ!」
「ほらー!(スマホ見せる)」
「えー?マジや!」
その後、「まー来てなかったら仕方ないか」的な雰囲気で事は収まりましたが、タイミング悪く直前にLINEが来ていたりしたら一悶着ありそうな雰囲気でした。
このように、ここ数年のLINEの普及率は目覚ましいものがありますが、内部構造や配信するためのシステムを知らずにLINEを過信しすぎている人もいます。それによって引きおこされるトラブルもおそらく少なくないでしょう。
たとえば、数年前のEメールが主流であった頃、メールが届いていない場合、「センター問合せ」という方法でメールが届いていないか確認する方法が取られていました。
センターに問合せするので「中央に管理センターがある」というイメージがすぐ湧きます。
送る方も「センターに送るように頼んだ」という認識していた人が多かったハズです。
ところが、LINEの場合はリアルタイムに会話するようにタイムラインが流れるのでセンターを意識せず、まるでスマホ同士が直接繋がっているという錯覚のまま使っている人、特に若年層では多いのではないでしょうか?
<錯覚>
上の「え?なんで?送ったやんっ!」という疑問はまさに「送信できたんだから相手は受信してるハズ」という錯覚によるものです。
実際にはスマホ同士でやりとりしている訳ではなく、メールと同じように間にLINEのサーバー(センター)があり、そこから配信されているのでダイレクトに見えても実はタイムラグがあるのは当然なのです。
<※これでもまだ錯覚>
近年のデータ処理の高速化、高速通信が「ライムラグ」を感じさせないのは素晴らしいことなのですが、急ぎの用事でLINEを使うとこのような錯覚がトラブルを引き起こすことがあります。
当然ですが、LINEはインターネット回線を使いますので経由地はLINEのサーバーだけでなく、携帯会社の基地局や中継サーバーなども複雑に経由します。
LINEに限らず、あなたが一度送ったメッセージは世界中で飛び回り相手に届いているかもしれないことを忘れてはいけません。
<実際>
そして、周囲の人がスマホをよく使うような場面では、一人一人に割り当てられる電波に限りがあるので情報が遅延します。
電波帯域やアンテナの数によって状況は変わりますが、ここでは解りやすいように仮に1つのアンテナで1つの電波帯域で情報を送信していると仮定して、このような場面を想定してみましょう。
1つの送信アンテナに対して1台のスマホが割り振られている場合
この場合、通信は1:1で100%使えて完全にスムーズです。何の問題もありません。
1つの送信アンテナに対して10台のスマホが割り振られている場合
この場合、通信は1/10になります。割り振りが減った分は「通信速度」として影響します。
データはパケットごとに順番に各スマホに送られますので「順番待ち」が出来ます。
しかし実際には通信は非常に高速なので10台程度ではストレスを感じるほどではありません。 しかし確実に遅延は発生します。
次に1つのアンテナに100台のスマホが割り振られた場合
通信は100%中、1/100つまり1%の電波です。これが「遅延」の原因です。
返信が埋もれていますね。
通信出来なかったデータは順番待ちでサーバー等に一時保管されます。
サーバーからは通信できるスマホから順番にデータが送られます。
データはLINEのような文字データだけとは限りません。写真や動画を見ている人があればそのデータ分だけさらに遅延します。
普段大勢が利用する施設などはアンテナや基地局で遅延が発生しないよう配慮されているでしょうが、普段スマホ電波が飛び交わないような場所(河川敷など)は大勢が使う場面はわざわざ配慮してありません。
そのような場所で一気に大勢がスマホを使った場合、このような遅延が起こることになります。
イベントやプールなど、人ごみの中で連絡を取り合う場合では、センターでストックされるようなメールやLINEなどではなく、きちんと「発信」したら「着信が鳴ること」が確認出来る、「電話」を使うのが「送った」「来てない」のトラブルを避ける最良の方法です。