【注意】今回の記事は省電力の電子機器を設置する目的で配線しています。決して100V線や大電流の機器は繋がないようにしましょう!
皆さんは趣味の電子工作で図のように隣の部屋に配線を通したい場合、壁のボードに躊躇なく穴を空けられますか?
図(赤色:配線)
このように配線したい場合、ドリルで1つ大きな穴を空けて配線して貫通穴周りをコーキングするという方法が一番簡単ですが、まず見栄えはよくありませんし、撤去後に穴が残ってしまいます。
見栄えを良くしようとすると、貫通穴にこういった配線プレートを設置するのが通例ではないでしょうか?
しかし、設置したものを撤去する場合は貫通穴+ネジ穴も塞ぐ必要があります。
上記の解決策として、壁紙を一片を残した四角形で切り取り、めくった部分にだけ穴を空けて壁紙を残したままプレートを設置することで、撤去時にめくった壁紙で再度穴を塞ぐという方法がありますが、ボード自体に空いた穴はパテか何かで補修しないと塞げません。
穴あけのための石膏ボード用ノコ↓
そもそも石膏ボードは耐火目的もありますのであまり大きく穴を空けるのは好ましくありません。
今回は「針の穴のようなできるだけ目立たない小さな穴で、後に残りにくい配線をすることが出来ないか?」
ということを考えながら小さな穴での配線を試みました。
一般的に石膏ボードへ小さな穴をあけるには、下地チェッカーのように針を押し付けます。
下地チェッカー針の太さは直径約2mm、つまり2mm以下の穴だと目立たないということで違いないでしょう。
【目標】
- 無駄な穴を空けずに0.6mmの導線が通る穴を目指します。
- 通常の画鋲ピンの針が実測約1.2mmでしたので、できればそれ以下の穴を目指します(最高でも2mm以下)。
- 貫通後には導線を配線します。
<参考>細くて長いドリル
細くて長いドリルビットを探してもまず商品がありません。
太くて長いものはたくさんありますが、細いビットほど短くなります。
強度と精度を考えると当たり前ですが、これでは先の要件を満たせません。
下地チェッカーのようなもので入り口と出口から別々に且つ正確に穴を空けられれば良いのですが、そんな神業も機器も持ち合わせていません。
「1mm以下で10cm以上で精度が良いドリルビット」なんてそもそもありません。
では、ドリルでないもので穴を空けるという方法はどうでしょうか?
思いついたのは「針」です。
こちらの商品は230mmもあります。
太さと精度が不明でしたが、レビューも悪くないので購入してみました。
この針をドリルビットとして使います。
長っ!!!
ぐるぐると回してみましたが、精度が素晴らしく先端がブレません。
しかし、フリーハンドで適当に穴を空けると確実にズレますので穴ガイド(図緑)兼配線プレート(図青)を3Dプリンターで自作して下図のように慎重に穴を空けます。
なんと!この針を使う方法で思ったより簡単に穴が空きました。しかも直径0.6mmの穴!大成功です!
先端をヤスリで削るなどビットにするための工夫が必要かな?と思っていましたがドリルで回転させればそのままでも石膏ボード程度なら充分刺さるようです。(流石に細いので回転させずそのまま刺しても曲がってしまって刺さりません。)
しかし、そのまま約0.6mmの穴に0.6mmの配線をするのは困難を極めますので、一度貫通したら逆側(糸を通す側)で少し穴を広げます。
<参考>貫通後
貫通後はこのように、穴が小さいので最初の針の方向と少しでもズレるとなかなか入りませんが、一度方向が定まればスルスルと入ります。
<配線方法>
わかりにくいですが、針の先端に0.6mm錫メッキ線をハンダで付けています(針穴側だと太くなっちゃうから)。
なんとこの針、ハンダも乗りやすいです。
出来るだけ凸凹しないように慎重にハンダ付けして折らないように慎重に運びます。
メッキ線はこちらを使用。
一応、壁中に入る部分は気持ち程度の絶縁目的で塗装しています。
理想はこのように、どちらの部屋にも同じ位置で穴が空いてほしい!
ですが、まあこれは無理です。
ガイドを通しても必ずズレは発生しますので、針の出口となる部屋1のプレートにはスペーサーを設置します。
こうするとブレを吸収することが出来ます。
<入り口>
<出口>
出口も割りときれいに穴が揃っています。
最終的にこのように穴ガイド兼配線プレートを設置しました。
ボンドも釘も使わずにメッキ線の張力だけでプレートを固定しています。そもそもピンで固定しているようなものなので不要です。
今回は14箇所配線することが出来ました。
端っこは何かしらに当たって針が進まなかったので無理せず中断しました。
通電テスト(他の線と壁中で接触していないか絶対に確認が必要!)して両方にカバーを付けて設置完了!です。
使う時は使いたい線にハンダ付けして、穴ガイドごと収縮チューブで絶縁します。
※この方法は完全に僕の思いつきですので、備忘録として残していますがもし真似して何かしら問題が出たとしても完全に自己責任でお願いします。
再度
【注意】今回の記事は省電力の電子機器を設置する目的で配線しています。決して100V線や大電流の機器は繋がないようにしましょう!