「電子工作」という分野では頻繁に取り上げられるマイコンですが、電子工作初心者にはマイコンという言葉だけでハードルが高く見えることもしばしばあります。
Arduino、PIC、RaspberryPi等、最近では工作で頻繁に用いられていますが「難しそう」という理由で使うのを躊躇している人もいることでしょう。
ただ、概要が掴めると「そういうことか!」っと新たなひらめきやアイデアが生まれる約に立つかもしれません。
マイコンを使えると抵抗やコンデンサの値を計算して回路を組むより遥かにコンパクトな回路で後の動作変更も容易になるので少し複雑な動作をさせようと思うと知っていて損はありません。
ここでは誤解を恐れずに極力難しい言葉は省いて記すことにします。
まずはIC回路について
電子工作をする場合に「IC(集積回路)」という言葉と部品が頻繁に使われます。
すぐイメージ出来るのはムカデのような足のある黒いチップでしょう。
例えばICと呼ばれているもには、汎用ロジックIC/メロディーIC/タイマーIC/モータードライバIC
等と種類が沢山あります。
上記のICは全て「電源を入れると速やかに予め回路で決められた動作をする電子部品」です。
「電源を入れると」と書きましたが、ICは基本的に「電源」と「機能」の足が別れています。
電源と機能が一緒という部品の例として、「ツェナーダイオード(TSVダイオード)」が挙げられます。
ツェナーダイオードは「電圧を一定に保つ」という特性があり、この特性を利用して落雷などの大電流から電子回路の保護することなどに利用されているものです。
ICの場合、ムカデのように沢山の足があるうちの少なくとも2つは「電源」用の足です。
(モーター等の大電流を扱うICには「IC用電源」とさらに「モーターを動かす外部電源」を分けてあるICもあります。)
これらのIC チップには内部に極小の電子回路が構成されており、「1番と2番の足に電気が来たら3番の足に電気を流す(例:汎用ロジックICのAND回路)」といった決められた動作を行う事が出来ます。
ICについて触れましたが、マイコンもICの一種です。
マイコンは「電源を入れると速やかにプログラム通りの動作をする電子部品」です。
ICは「電源を入れると速やかに予め回路で決められた動作をする電子部品」でしたよね。
マイコンはプログラムを書き込むことによって色んな動作を自分で任意に制御出来るようになるICなのです。
プログラムによって全く違う動きが出来るものといえばコンピュータですよね。コンピューターは本体だけでは何も出来ませんがソフトウェアをインストールすることでワープロにも動画編集器にもゲーム機にもなります。
マイコンも同じでマイコン本体だけだと何もすることは出来ませんがプログラムを書き込む(インストールする)ことでLED制御機にもセンサーの読み取り機にもロボットの制御機にもなります。
マイコン内部にはCPU、メモリといったコンピュータを構成する要素を含むのでマイクロコンピュータ(小さなコンピューター)→マイコンと呼ばれています。
つまり、マイコンとはプログラムで好きなように動き(入出力)をコントロールすることができるICです。
現在ではArduinoという手軽に扱えるマイコンボードが出てきて電子工作のハードルが昔に比べるとぐっと下がっています。良い時代になりました。
マイコンPICを使った工作の例
次回は「マイコンの種類と得意分野」です。