3Dプリンターについているオートキャリブレーションという機能が便利だと以前のブログで紹介した。
キャリブレーションとは「調整」であるが、3Dプリンターでは一般的に水平レベル調整のことを指す。
3Dプリンターは3軸で動いて物体を構成するので、作成された物体が乗るベッドとホットエンドよ呼ばれる出力ノズルの動きが水平でないとちゃんとした物体が構成できない。
3Dではややこしいので真横から見た2Dの図として説明すると
これが完ぺきに水平が取れている理想の型
白がノズル用のレール
赤がノズルが移動する位置、当然レールと平行
緑が作成された物体
青がベッド
で、レールの高さが狂うと
極端にいうとこういう状態になる
実際にここまで傾くと販売出来るレベルでは無いがわかりやすく傾けてある。
製品として完成した状態ではキチンと調整してあるが、出力用ベッドにシートをつけたりヒーターを付けたりすることで傾きが出るの。また長期間使用によるレールの摩耗等によって傾きが出ることもある。
そこで手動のキャリブレーションの場合、レールの位置やベッドの位置をネジ等で調整して真っ直ぐにする訳だが
オートキャリブレーションの場合はネジを回す必要がない。
もちろんキャリブレーション専用のモーターなんぞ搭載していない(高級機にはついているかもしれないが知らない)。
じゃあどうやって高さ調整しているの?
ってことで、オートキャリブレーションの仕組み
基準になる点までノズルを移動させて
ノズルがベッドに当たるまでレールを下げる
次に、調整したい点にノズルを移動させて
またノズルがベッドに当たるまでレールを下げる
すると、最初の基準点とどのぐらいズレているかがレールを昇降した量でわかる
この差とヘッドの移動量を計算してヘッド左右に動く度にレールやベッドを上げ下げするのだ
こうして綺麗な物体を形成できる。という仕組み。
もちろんベッド側が傾いている場合でも要領は同じ
実にうまく出来ているが、実際にはノズルとベッドには多少の傾き発生している状態で上下調整しながらの不安定な出力になるので本当は手動でクリアランスがちゃんと取れているか確認して調整した方が綺麗な物が出来るのは間違い無い。
ただ調整の手間や機械慣れしていない場合だと便利な機能なのでプリンター購入の際の基準に入れて良いと思う。
但し、組み立て式のプリンターの場合はまず初回時には手動キャリブレーションが必用なので手動キャリブレーションも知っておく必用がある。
手動のキャリブレーションの方法はこちら↓