↓ こちらの記事では、焦げやすいフィラメントも紹介しました。
さて、3Dプリンターを扱ったことの無い方からは「低温で綺麗に出力出来るならなんでわざわざ高温にする必用があるの?」という疑問が生まれることでしょう。
結論として、高温で焦げないということは「高速で安定してプリント出来る」ということを意味します。
どういうことかと言いますと、3Dプリンターの能力の1つにスピードがあります。
大概の3Dプリンターはカタログスペックの1/2程度のスピードで安定した出力が出来るのではないでしょうか?
一般的な3Dプリンターの出力の様子
中には超高速プリントのできる3Dプリンターも存在します。(早送りではなく、一般市販品の約7倍での高速プリント可能なプリンター)
Fast desktop-scale extrusion 3D printing
上の例は極端ですが、プリントにスピードを求める場合、フィラメントをドンドン過熱して溶かしていく必用があるというのはイメージが湧くと思います。
低速で理想的な温度でフィラメント吐出している場合、フィラメントが軟化するのに必用な熱量を与えてあげればOKで、フィラメント吐出が止まっている状態でもバレル内で溶けたフィラメントの量はあまり変化なく待機しています。
しかし高速出力になると、フィラメント吐出している状態であればどんどんフィラメントを過熱する必用があるのでノズルやバレルを高温に保つする必用が出て来ます。
高温の場合、フィラメント吐出が止まると過熱されたフィラメントはどんどん溶けてバレル内で上部に溜まります。
高温で焦げやすいフィラメントはこの待機時に炭化してしまいます。
そしてノズルに炭化したフィラメントが詰まると次々に炭化してしまい、終にはノズル内部でガッチガチに固まります。
この状態になるのは例えばプリントスタート前の過熱待機時、プリント終了時、空送り移動時です。
ですのでなるべく高速で安定して出力しようとするなら高温でも焦げにくいフィラメントを選ぶ必用があるのです。
逆に低速で運用するならそこまでこだわらなくても良いところです。