FDM(熱溶解式)の3Dプリンターの出力品というと「プラスチック」のイメージが強いと思うのですが、
(↓一般的によく使われているPLA素材の比較は過去記事参考)
じつはPLAやABSだけでなくいろいろな用途に使えるフィラメントが存在しています。
- 金属質系フィラメント
- 木質系フィラメント
- フレキシブル系フィラメント
- 水溶性フィラメント
- 高強度PLAフィラメント
- カーボン質系フィラメント
- 蓄光フィラメント
- キラキラフレーク入りフィラメント
- 電導性フィラメント
- PLAでもABSでもない次世代フィラメント
金属質系フィラメント
ブロンズ、アルミ、スチール、ゴールドなどの金属粉を含んでいるので見た目ブロンズ像のようなものが出力出来るんですね。
<注意>中に金属粉のが含まれているのでノズルの詰まりが発生したり、ばあいによってはエクストルーダーのギアが摩耗したりという報告もありますので使用の際にはご自身のプリンターのギアとノズルを調べて1セット予備を用意しておくのが良いでしょう。
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木質系フィラメント
こちらは木紛が含まれているようです。積層痕が木の見た目にマッチしそうですね。木質が含まれているせいか軽いそうです。
Pxmalion Woodウッド 3Dプリンター用木造フィラメントです! 木質ボックスを印刷します。
フレキシブル系フィラメント
ゴムのような柔軟性を持つフィラメントで、自作のシューズが作れたりします。
フレキシブルフィラメント2種 PolyFlexとLinFlex TYPE B比較
尚、出力は難儀な素材なので覚悟が必用です。
水溶性フィラメント
PVAという素材で水溶性のフィラメントです。
2ノズルのプリンターで使えます。
サポート材として出力し、後で綺麗に溶かしてしまえるので同素材でのサポートより出力品が綺麗になります。
高強度PLAフィラメント
ABSより強度が勝る素材です。元々PLAもABSの代替品として設計されていましたが、強度の面では劣っていました。
PLAでもABSに負けない強度のものは当初PolyMaxだけだったように思いますが、近年色んなメーカーから高強度PLAが出て来ました。価格も下がって来たしこれならABSでなくても良い気がしてきます。
Feels like ABS, but is PLA - Polymaker's Polymax review! #Filaween
カーボン質系フィラメント
カーボン素材を含有し、カーボン質というだけでなく強靭な造形物を作れるとされていますが?本当に?
硬い素材なので真鍮ノズルでは摩耗が激しいのでスチールのズルが付属しているものもあるらしい。ってことは、これも金属質系と同じようにエクストルーダーのドライブギアが摩耗するタイプのものですね。予め準備しておきましょう。
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蓄光フィラメント
明るい所で光に当てて暗い所で発光するという蓄光素材を使ったフィラメントです。
ブラックライトで発光するやつですね。
停電時に約にたつものも作れる?
キラキラフレーク入りフィラメント
キラキラが配合されています。
ミラーボールの作成に適しているそうです。特殊すぎる・・・
電導性フィラメント
なんと電気回路を設計できるそうです。すごい!
2ノズルタイプのプリンターでこれを利用すれば造形物の内部に配線済みのモデルが出力できるということ?
PLAでもABSでもない次世代フィラメント
これは詳細なデータが無くわかりませんでしたが、出力しやすく強いというABSとPLAの利点を併せ持った次世代のフィラメントだそうです。
<以下説明文から引用>
ABSと同等の耐熱性、耐久性を確保しつつ、造形物が反りにくい特性を持っています。又、安定した吐出と独特の光沢による効果で積層痕がヘアライン加工のように美しく見えるのも素晴らしい特徴の一つです。これらの素晴らしい特性を持ちつつPLAのような扱いやすさを実現しています。
実に面白いですねー!こういったフィラメントを組み合わせると今までに無い新しい発想が生まれそうですね。
注意点として、こういった特殊系フィラメントを利用する場合は予め「社外フィラメント使用可能」なプリンターを選ぶ必用があります。
また、フィラメントによっては高温でないと出力出来ないものもあるため、少なくともABSの出力に対応した高温の素材を出力可能としたモデルを選ぶべきでしょう。
社外フィラメントを使うときに必用になるスプールホルダーの紹介です↓