前回の次亜塩素酸水生成機の動画をYouTubeに投稿していましたら、興味をもっていただいた方から素朴な質問を頂きました。
こちらが投稿していた動画です。
本物の次亜塩素酸水(微酸性次亜塩素酸水)の生成装置をペットボトルで作ってみた
質問
「二つの容器は液体でつないでいないと駄目でしょうか? 上から両端に炭素棒をつないだケーブルで通電させるのは 出来ないでしょうか?」
この質問に対して文字で返答というのは、他の方が見てもイメージが掴みにくいということもあり、説明図と共に回答をこちらに掲載させていただくことにしました。
まずは、
こちらが塩水に電気を流すだけという「次亜塩素酸ナトリウム水」を生成する簡単な装置の略図です。
水槽に電極を入れているだけ、という構造です。
陽極と陰極を分けていないので、陽極の次亜塩素酸水だけでなく、陰極の水酸化ナトリウムが混じってしまい、結果的に生成されるのは次亜塩素酸ナトリウム水溶液です。
この図をよく覚えていてください。
この装置から陽極と陰極を分けるために、今回ペットボトルを使った装置の略図がこちらです。
2つの水槽同士を溶液を満たしたチューブで繋いでいます。
こうするとチューブの中をイオンが移動して各水槽に陽イオン、陰イオンが片寄ります。
「水槽の上をチューブを通して大丈夫?」
という疑問が出てくると思いますが、
サイホン現象により、2つの水槽は下図のように繋がることと同等になります。
僕はペットボトルで実験していましたが、このように水槽で実験することも可能です。
さて、上の質問への回答です。
つまり、このように接続できるのではないか?
ということです。
この場合、結果としては各水槽に陽極、陰極の電極ができてしまい、各水槽に次亜塩素酸ナトリウム水溶液が作られてしまいます。
水溶液を通しているのに何故?
と感じる方もあることでしょう。
もっと端的に考えてみましょう。
水槽には電気が流れていますが、水溶液のイオンは電線を伝って移動ができないので、電線を伝って電子のみが移動することになります。
水槽を介した電子の移動は電気的には単純に「抵抗」として捉えられることになります。
結果的に、下図のように陽極や陰極自体が各水槽に移動しただけ。
というような接続になります。
最初の図と同じ構成になりますね。
これでは陽極、陰極の水溶液
分けることは出来ませんよね?
こういった理由から、
「上から両端に炭素棒をつないだケーブルで通電させるのは 出来ない。」
という結論になります。