今回は中古車を選ぶ時に注意すべき点ということですが、まずは以前に書いた「次亜塩素酸水」についての記事が本稿では関係していますので一度ご講読ください。
上の記事を要約しますと、「次亜塩素酸水」と「電解次亜水」は意味が異なりますが巷で多く出回っている安価な次亜水生成装置は殆ど「電解次亜水」であり、食塩水に電気を流しただけのものであるということです。次亜塩素酸水でも同じ生成方法で最終的にphを塩酸で調整して次亜塩素酸水となっているだけのものが多いです。
※以降「電解水」と表記します。
コロナ騒動の際に施設や市のサービスとして配布されたものの多くがこの電解水です。
電解水は塩素が失われれば薄いか濃いかは生成方法によりますが全て「塩水」に戻ります。
さて、この時点でお気付きかもしれませんが、今回問題として取り上げたいのは「塩害」です。
中古車で気を付けなければならない塩害といえば
- 沿岸地域で使われていた車
- 沿岸部で水没した車
- 凍結道路をよく走った車
というのは皆さんご存知でしょうけれど、コロナ騒動で車内の除菌として上記の電解水をご利用になられている方もあると思います。
個人で利用する場合はしれているかもしれませんが、例えば送迎に使われていた車であったり社用車であったりする場合には累積すると結構な量の除菌スプレーが使われている可能性があります。
実際にある会社に勤めている人から「もうコロナ怖いからって除菌スプレーしまくってたら最近車のシートが白っぽくなってきちゃってて〜(笑)」と恐ろしい世間話を聞いたことがあります。
除菌スプレーが電解水であった場合、車内に塩水を撒いた状態と同じということになります。
車は塩害にすごく弱いものです。特にコンピューター制御されている昨今の車に電装系の腐食が起こるということは致命的です。
水没車を除き一般的に塩害といわれているものの多くは外からの腐食ですが、電解水を車内に撒くと内部から腐食が始まってしまいます。
金属の腐食は除菌スプレーによる塩害だけではなく、クレベリンに代表される空間除菌グッズやオゾン発生装置等でも起こります。
今後は正規ディーラーの社用車であれど車内の除菌には何が使われていたか?まで問う必用がありそうです。
今の段階ではまだこれらの問題は出て来ていませんが、もしかしたらもう数年後には車の買い取り時に車内の除菌に何を使っていたか?何かしらの方法で車内の腐食度合いまでしっかり見られるようになるかもしれません。
ボディーは綺麗だけど内部がボロボロなんて最悪です。
コロナの影響で除菌グッズが巷に溢れている昨今、中古車を購入する際の注意事項がまた一つ増えてしまったことを大変遺憾に感じています。