ここ最近のコロナ騒動の影響もあって良く聞くようになりました、
「次亜塩素酸水」
ですが、こいつは一体何者でしょうか。
「次亜塩素酸水」について厚生労働省の正式な報告がこちら。
<厚生労働省>
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002wy32-att/2r9852000002wybg.pdf
その他参考にこちら。
要約しますと、アルコールより殺菌力に優れていて人体にも安全な優れた殺菌剤です。
その一方で、手の消毒効果の有効性は「未確認」とされています。
これは、次亜塩素酸水の殺菌効果は強力な酸化作用からなるもので、細菌やウイルスに限らず、人体の細胞等の有機物に触れると一瞬にして酸化作用を発揮してしまい、殺菌作用が弱まってしまうからです。
手指消毒にはアルコール消毒がお勧めです。
アルコール消毒液の作り方も纏めています↓
あと、空間除菌の目的で加湿器に入れるという方もありますが、塩素が一瞬で分離するので効果があるのかどうかは疑問です。(空間除菌の正式な資料が見つからないけど製造メーカーでは空間除菌を謳っている物も)
「次亜塩素酸水」に似た「次亜塩素酸ナトリウム水溶液」を空中に散布すると、程度によりますがコロナによる肺炎ではなく、次亜塩素酸ナトリウムによる肺炎を引き起こすという報告事例もありますので要注意です。
<参考記事>
本来の使い方、正式に除菌効果が認められた使い方は「生成機で作られた次亜塩素酸水を流水で使う」というものです。
汲み置きして紫外線に晒されたり、有機物に触れると効果が薄れます。
次亜塩素酸というのは、身近なところでは台所用漂白剤に代表される「キッチンハイター」などの主成分である次亜塩素酸ナトリウムの親戚にあたります。
キッチンハイターを希釈することで除菌効果がある除菌水として利用されることもあります。
よく、次亜塩素酸水の生成機の商品紹介などで
「次亜塩素酸は酸性で、次亜塩素酸ナトリウムはアルカリ性だから全く別もの」
という謳い文句を見ますが、正式には違うけど全く別ものではなく親戚です。
誤解を恐れずにすごく簡単に言いますと、
「次亜塩素酸水」は食塩水を電気分解することで得られる水溶液ですが、電気分解する時にはプラス極とマイナス極のそれぞれに「次亜塩素酸」と「水酸化ナトリウム」が生成されます。(あと塩素と水素という気体)
そのプラス極側だけの溶液を取り出すと「次亜塩素酸水」になり、
マイナス極側だけを取り出すと「水酸化ナトリウム水溶液」になります。
で、この「次亜塩素酸水」に「水酸化ナトリウム」を加えたものが「次亜塩素酸ナトリウム」です。
だから、プラスとマイナスを混ぜたら次亜塩素酸ナトリウム水溶液です。
実は、簡単操作で価格も手頃なこれらの商品、
これらはプラス局側とマイナス極側が別れていない状態で電気分解するので、これらの商品で生成されるのは「次亜塩素酸ナトリウム」の水溶液になります。
これらの商品で生成された除菌水は「電解次亜水」と称されるものになりますが、
なんと次亜塩素酸ナトリウムを希釈して作った除菌水と同等とみなされています。
装置の原理としては、単純にコレだけのものです↓
こんな装置に数千円・・・僕は出せません。
まあ、漂白剤に含まれているような他の添加物は入って無いというのが唯一の利点でしょうか。
こんな装置であれば実際に家にあるもので作れます↓
プラス極とマイナス極を分けた商品は価格も高いですが、きちんとした「次亜塩素酸水」が生成出来るものがこちら↓
これらの装置には、プラスとマイナスを分ける「陽イオン交換膜」という特殊な膜が入っています。
あと、それぞれの溶液を別々に取り出せる工夫もされています。
図示するとこんな感じで上のものよりやや複雑になりますが、自作もしようと思えば可能な範囲です。やはり高い気がする・・・
陽極と陰極を分けた次亜塩素酸水生成装置を手作りしてみました。↓
これらの装置で生成された次亜塩素酸水は紫外線に弱く、保存には遮光が必要です。
次亜塩素酸水にはパッケージ品のこのようなものがありますが、
保存寿命が短いのできちんとした場所で保管しないと効果がすぐ無くなってしまうので要注意です。
保存実験をした方の動画がこちら↓
<次亜塩素酸の保存容器による寿命の違い>
【容器別】次亜塩素酸水の寿命テスト 10日間で有効塩素濃度はどうなる?
透明な容器で日光に当たる場所に置いていた次亜塩素酸水は2日も持っていません。
黒い入れ物で、尚かつ冷蔵庫に保存しておくと10日以上しっかりと持っているので、保管場所は要注意です。
殺菌効果を狙って次亜塩素酸水で拭き掃除していたのに、単なる水拭きになっていた。
なんてことになりかねませんからね。
P.S.
空間除菌には「オゾンガス」の方が次亜塩素酸水より安全で有効かもしれません↓
手作りマスクを作ろうとお考えでしたらこちらを参考にどうぞ↓