警視庁が考案したとキッチンペーパーで作る簡易マスクの見た目を良くしようと沢山のDIYユーザーがあの手この手で工夫して
「まるで使い捨てマスクに見えるキッチンペーパーマスク」を沢山考案しています。
<参考>
警視庁災害対策課が考案 キッチンペーパーで作る「簡易マスク」とは - ウェザーニュース
見た目が使い捨てマスクに見える手作りマスク。
【 縫わない 】マスクの作り方「簡単&高クオリティ」100円均一で作れます⭐︎最後にマスク用 抗ウイルススプレーについてお話ししています✨
鼻水がついたらバレるし、壊れる可能性もあるけど言われなきゃわからないぐらいきちんと型になっています。これは良いですね。
しかし、僕はここで一つの疑問を抱きました。
「キッチンペーパーって苦しくないの?」
結論から言いますと、キッチンペーパーマスクは、キッチンペーパーを通して入る空気(フィルターとして通過した空気)より隙間から入る空気の方が断然多いです。
以下、マスクの機能を項目別に調べてみました。
通気性
一度キッチンペーパーを口に付けて吸い込んでみてください。
使い捨てマスクのそれに比べるとかなり苦しいと思います。
付けていて苦しく感じないのは、つまり「フィルターを通過していない空気が多い」ということです。
そうするとキッチンペーパーはフィルターの素材としては疑問です。
素材
市販のマスクはどのような素材から出来ているのでしょうか?
マスクの素材には 「不織布」という素材が多く(何重にも)使われています。
この素材はいったいどこで手に入るのか?と調べますと
マスク用高機能フィルターシート(N95対応)
こういうものが市販されています。
これを布マスク等の手作りマスク間に挟む事で高機能マスクになるということですが、
素材は、ポリプロピレン(PP)樹脂で出来た不織布です。
ポリプロピレンは静電気を帯電させることででフィルターの目に掛からないような微細なものを吸着させて留めておく、「静電フィルター」と呼ばれる機能を持たせることが出来ます。
ポリプロピレンは帯電しやすい物質で、静電フィルター機能として適した素材です。
<引用:帯電に適した組み合わせ>
http://www.boron-labo.co.jp/documents/seidenki_no_mamechishiki.pdf
同じ素材を使った不織布は無い物かと調べますと、なんと水切りネットに使われていました。
素材:ポリエチレン・ポリプロピレン
同じような不織布水切りネットでも
素材:ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂というものもあります。
これはペットボトルの材料です。
キッチンペーパーの素材は「紙(パルプ)」なので、上の表でも帯電しにくい素材に分類されます。
つまり、目を通ってしまうような粒子は静電気で捉えられることもなく、そのまま通過してしまうということです。
キッチンペーパーのパルプ不織布と、マスクのポリプロピレン不織布は見た目が似ていても素材は全く別物です。
使い捨てマスクは一般的に「紙マスク」とよく言われますが、実際には紙マスクではありません。
見た目はよく似ているので「トイレットペーパーとマスクが同じ材料だからきっとトイレットペーパーも無くなる!」というデマにまどわされて買いに走る方もあります。
型
一般的なマスクの型である
「プリーツ型」と、「立体型」
を比べた場合、立体型の方がマスクの隙間からの漏れ率は小さいそうで、出来れば立体型が望ましいようです。
<参考:国民生活センター>
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20091118_1.pdf
おいおい、ということは・・
キッチンペーパーマスク、
型だけで、機能として全然ダメなの??!!!
と感じた方もあるでしょう。
全く同じような事をYouTubeに動画を上げて説明している方も発見しました。
けれど、くしゃみや咳をしたときに直接フルパワーで唾液が前方へ飛ばないということや、周りの視線を避ける視覚的な効果は充分にあります。
つまり、キッチンペーパーマスクは、
使い捨てマスクは機能としては市販のものに劣るものの、全く付けないよりは随分マシです。
ウイルスよりも恐ろしいのは人対人のトラブルですから、「安心してください。着けていますよ。」というアピールはしていて損ではないはずです。
最後にポリプロピレン不織布を使った「自作使い捨てマスク作成キット」をご紹介します。
<バージョン1>
<バージョン2>
布製マスクには入れるだけでより予防効果が高くなるフィルターをお勧めしておきます。
P.S.
アルコールが手に入らないときの除菌水に次亜塩素酸水は確かに有効ですが、無駄に高い買い物をする必要はありません。↓