普段「3Dプリンターがあるなら、もっと約に立つもの作ってよ」と家族に不評な皆様に朗報です。
今こそ3Dプリンターを使って家族や友人のために品薄の使い捨てマスクを作る時です。
※3Dプリンターをお持ちでない方も、型紙を公開していますので工夫次第では作成出来ると思います。記事内容を一度ご覧ください。
※この記事内の3Dデータや写真などはどなたでも自由に使ってください。
※3Dプリンターを持っている方はどんどんシェアして広めてほしいです。
今回は布製などの「使い捨てないマスク」ではなく、「使い捨てマスク」を3Dプリンターで出力したパーツを利用して作る方法を提案します。
しかも全て不織布で出来ていますので鼻水がバレることもありませんし、耳用のゴムも不要です。
<実際に作ったマスク>
材料・必要な道具
不織布水切りネット
不織布の繊維で一番手頃価格でドラッグストアでもいっぱい出ています。
アイロンで溶着させますので、必ず原料樹脂が「ポリプロピレン」のものを購入してください。
他にも換気扇フィルターやプレゼント包装用の不織布などもポリプロピレン製のものであれば使えるかもしれません。
百均の布団カバーなんかもポリプロピレン製でした。
クッキングシート
不織布を溶着させる時にアイロンを使うので、アイロンへの貼り付き防止のために使います。
シリコンマット
(新聞紙の上にクッキングシート貼付けても可)
アイロンを使うので土台として使います。
アイロン台だとフワフワすぎて難しいです。
3Dプリンター
現在、一万円台から購入できる機種もあります。
作成用部品を出力します。
無くても工夫次第で作成出来るとは思います。
アイロン
160℃ぐらい上がれば何でも良いです。
半田ごてでも良いかもしれません。
ハサミかカッター
不織布が切れれば問題ありません。
型データのダウンロード
部品データをダウンロードしてください。
データはGoogleドライブで共有しています。
型を3Dプリンターで出力出来る方は使用許可は不要ですから、ご家族ご友人知人などなど、どんどん型を自由に配布してください。
薄いので普通郵便で郵送できます。
※但し、販売は禁止。
<Googleドライプ>
今回僕はPLA樹脂で出力しました。
ポリプロピレンの融点が165℃なので3Dプリンターで出力するパーツはABSが望ましいのですがPLAでも辛うじて使えるようです。
<body01>
3Dmask_body01.stl - Google ドライブ
<body02>
3Dmask_body02.stl - Google ドライブ
<ear>
<clip>
3Dmask_clip.stl - Google ドライブ
<マスク型紙>
(3Dプリンターで作る場合は不要です)
作成
生地作り
1つ分のマスクを作るのに260mm×240mmの水切りネットなら4枚使います。
ネット3枚でマスクのフィルターだけ2つ分作れるので、マスク2つだと5枚で作成可能です。
ネット3枚を1セットとして、不織布の目の向きを「縦・横・縦」のように同じ向きにならないように重ねます。
見え辛いので、図示するとこんな感じ↓
シリコンマットの上に並べて、その上からクッキングシートで押さえてアイロンをかけて3枚のネットをほんのり溶着させます。
アイロンの温度は「中」〜「強」の間ぐらいが僕の手持ちのアイロンの設定温度。
この辺はアイロンの機種によると思いますが、重ねたネットの一番上を持ち上げて一番下の生地がくっついて来るぐらいに溶かせればOKです。
くっつきすぎると透明感のあるカチカチの生地になってしまいます。
ある程度引っ張って離れないフワフワの状態がマスクには良いです。
この生地がマスクのフィルター部分になります。
3枚1組が出来たら、今度は1枚だけで同じようにアイロンします。
袋になっているので表地と裏地が分離しないようにするためです。
この生地がマスクの耳の部分になります。
3層1組の生地に型のbody01とbody02を並べて大きめに切り取ります。
できるだけ多く取れるように工夫してください。
次に1層の生地をbody01とearを並べて2つ切り取ります。
これも少し大きめで切り取ります。
このとき繊維の方向は縦向き、つまり左右に伸びる向きで取るのが望ましいです。
これでマスク生地の準備が出来ました。
溶着
部品body01の上に先ほど切った1層の生地と3層1組の生地を載せます。
上からクッキングシートを載せてアイロンで溶着します。
図示するとこうです
下図の「黄色」の部分のみ溶着させます。
部品earは不要な出っ張りがあるので外しておきます。
このように、部品body01の凸の部分が濡れたような色になれば溶着出来ています。
部品body02を利用して左右対称になるよう、同じ要領でに溶着させます。
左右の部品が出来ましたら、フィルター部分が内側に向くように重ね、電球など明るい光で溶着した部分同士がピッタリ合うように重ねます。
綺麗に重なったら、動かないようにアイロンで下図の青☆印の部分あたり、部品と重ならないところを仮止めとして溶着させます。(ホッチキスでも良い)
部品body01もしくはbody02の凸と溶着した場所を合わせます。
図の水色ラインの凸をアイロンで溶着させます。
図で表すとこうです。
部品body01、部品body02を使って両方からアイロンがけするとむらなく溶着できます。
このようになります。
先ほど仮止めした部分を切り取って開くと、これでほぼマスクの機能は完成です。
あとは、部品body01に部品earをくっつけて出来上がったマスクの上に載せて型を見ながらハサミで切り取ります。
部品clipを使って部品body01と部品earを留める予定でしたが、PLAだと凸が少し変形してしまって使えませんでした。
ABSなら使えると思います。
溶着部分が目印になるのでこの型が無くても切るのは簡単です。
耳の部分はお好みのサイズで切り込みを入れてください。
折り曲げてハサミで切り込みを入れると良いです。
完成です。
マスク型を後から切るのでパーツのズレを気にして作業する必要が無く、綺麗に型が整います。
作り方を細かく書いているので難しく感じられたかもしれませんが、実際作業して慣れると数分で完成できます。
糊のように接着を待つ必要もありませんし溶着なので丈夫です。
家族友人のために是非お試しください。
<追記>
2020/03/07 より早く、より簡単に作れるようになったバージョン2の組み立てキットを公開しました↓
P.S.
プリーツ型も実験してみましたが、生地がゴワつくし仮止めを何カ所もする必要があったりと手間と時間がかかるので使い捨て向きでは無さそうです。
試作実験の痕跡↓
今回は水切りネットを使いましたが、マスク用のフィルターを使うと、より効果のある使い捨てマスクになります。