前回、ホームセンターで売られている材料でY軸を作りました。
次にX軸を組みたかったのですが、先端の工具が決まらないと収まりが悪そうなので先にスピンドルモーターの選定をすることにしました。
ミリングマシンに絶対不可欠なものがスピンドルモーターです。
切削用のミルを高速で回転させ、各軸方向への耐久力が必要、尚且つ数時間は回転させっぱなしとなるものですので、しっかりとしたチャックと耐久性のあるモーターが欠かせません。
理想は電源を分離させ、回転数の制御ができるものが望ましいですが割と値の張るものになります。
↓1万円台のドライバー付属のブラシレスモーターもの
良いのですが精度の出ない自作CNCにはオーバースペックで高価です。
ずっと以前にプリンターから取り出した大きめのモーターをスピンドルモーターとして自作する方法も考えました。しかし、実際に動かしてみると結構軸ブレが大きいです。
特に縦方向へのブレが大きいのでお尻の部分からネジで押して安定させる機構も実験しました↓
いろいろと方法を考えたのですが、数時間この状態で何かを削るとなるとこんな構造ではすぐにガタがくるのは想像に容易いですよね。
このモーターに取り付けるドリルチャックも一応選定しましたが、安いドリルチャックを軸にまっすぐに取り付けるのは難しいのと、ミルを付けると先端までが結構な長さになってしまいます。
長くなるということは、テコの原理でそれだけモーターの軸受が負荷に耐えなければならなくなります。すべり軸受の普通のモーターではこの状態で長時間の負荷に耐えるのは難しいように思います。
作成の困難さや後々のメンテナンスを考えるとやはりここはきちんとした規格のあるモーターを購入した方が良さそうです。
市販のスピンドルモーターはバランスの良い切削用のチャックが予め付属し、モーターの軸受も負荷に耐えられる摩耗に強いころがり軸受の775モーターが採用されています。
安いものだとブラシモーター一択ですが、3000円台からあります。
少しパワーのある4000円台のもの↓
ブラシモーターの場合、長時間の使用に伴う整流子とブラシの接点の摩耗が発生します。接点からのノイズによる制御基板へ誤作動を引き起こす可能性があります。
これらが妥協点となります。
3つ爪のドリルチャックが付いたものもありますが、これはドリル用。
ミリングマシンの場合はコレットチャックのものを選定します。
ドリルチャックはいろいろな太さの軸を掴むことができるので便利ですが、保持する箇所が3点のみになるので、爪が摩耗すれば芯がズレたり滑ったりしやすくなります。
対してコレットチャックは使える軸の径が限られますが、軸を包み込むように全体で軸を保持するので安定感があり、軸の傷も低減できるので繰り返しの使用での芯ズレが抑えられます。
高速回転で横方向に力のかかる機械のチャックはコレットチャックです。(例:トリマー)
ということで、実際にマシンを作る際は入手しやすい775モーターのスピンドルモーターを採用することにしました。
モーター1つ1500円。
コレットセットが約2000円
セットになっているものの方が安いのですが、購入を悩んでいた期間に売り切れてしまったのでモーターとコレットチャックは別々に購入しました。コレットが数種類付いてくるので良しとします。
※追記
あらかじめコレットチャックがモーターへセットされているものを購入することをオススメします。理由は僕がこれで痛い目に合ったからです↓