前回回路の動作まで確認しました。
こうなるとやはり本体が作りたくなってしまいます。(あぁ、時間が無いというのに・・・)
Amazonで調べると5万円ぐらいであるんですね。自作するなら最低この価格以下で作りたいものです。
と思ったら、なんと17,455円!!??のものを発見してしまいました!!!!
精度はわかりませんが、作業範囲は小さいながら信じられない低価格です。
しかもレビューも悪くない!
「もうこれでいいんじゃないの?」という気持ちを抑えて、あくまで「自作」にこだわります。(あまりに安いものがあるとなんか悲しくなってきた・・・)
よく自作CNC本体を組むときに使われているのが言わずと知れたアルミフレーム。
好きな位置でネジを閉められるし丈夫な構造なのでめちゃめちゃ便利ですが、お値段はそれなりに・・・900mmの4本入りで3000円弱。
30センチ四方のキューブ型のフレームは組めそうですが補強などを考えるとやはり高くなりそうです。
ホームセンターで何か無いかな?といろいろ見ると鉄製のフラットバーというものがありました。
鉄製でめちゃ丈夫そうだけど、加工が大変そうだしアルミフレームとお値段もあまり変わらなくなりそう。使いやすさだとアルミフレームに軍配が上がります。
やはり素人のCNC工作には木製が無難なのかな?なにか使えそうなものはないかな?と押入れをごそごそすると、以前に農業用運搬車を作ったものをバラして荷台だけ放置しているものを発見しました。
筋かい金具と平金具で人が乗れるぐらい丈夫に組んだので何かに使えるだろうとそのまま置いていたものです。少しだけ改造すれば使えるかもしれません。
試しにこの荷台に手持ちの引き出し用スライドレールを取り付けてみました。
ベアリング内蔵の2本入りで1000円ぐらいのお手軽スライドレールですが割と精度が良いです。
組んだ感じ、悪く無さそうです。ここまで手持ちの材料だけなので0円(笑)
四隅の筋かい金具は1個300円ぐらいですが鉄製なのでめちゃめちゃ丈夫で何より安い!
ここに真っ直ぐ平面の(←重要)板を乗せればテーブルの完成ですが、なかなか身近に精度と寸法の良い真っ直ぐな板なんてありませんね。
プラスチックじゃ曲がるしガラスじゃ割れる、正式なものによく使われる「アルミスポイルボード」は馬鹿みたいに高い。。。
ホームセンターで手頃なものはないかな?と見て回っていると、お値段700円ほどの丈夫な鋼板(300mm×300mm)を発見したので試しに買って載せてみました。
たぶん溝の蓋とかで使われるようなやつです。鉄板焼とかも出来るんじゃないかな?
厚さ3mmもある鉄板なので穴をあけようが叩こうが、ちょっとやそっとじゃ表面も曲がりませんので雑に置かれていても結構表面が真っ平らでキレイです。
タップでネジを切ってスライドレールに固定します。
組んでみたらめちゃ素直にスルスルと動いてくれました。成功です。
次に、このテーブルをステッピングモーターで動かす機構を考えます。
単純にステッピングモーターに長ねじを固定してナットを取り付けるだけ。
なのですが、モーターと長ねじの固定には「カップリング」が必要です。
このカップリングはモーターの軸とネジの軸の差異を吸収しつつ、しっかりと回転を伝えるためのスリットが入っており結構精密なものです。
しかし、台形ねじならともかく長ねじを接続するのにそこまで必要か?ということで、これも安く自作しちゃいます。(きちんとマシンとして動いたら将来的に購入しようかな?)
カップリングの自作は簡単!
M6長ねじを使うのでM6の長ナットに軸固定用のネジ山を作るだけです。
ステッピングモーターの軸が5mmなので、丁度M6ナットの穴と同じサイズです。
ピッタリ収まります。
組んでみたらこんな感じ。
このようにガッツリ長ねじの量端を固定してしまうと長ネジの微妙な曲がりが顕著に現れてしまったので最終的に長ねじの両端固定はやめました。(やはり長ねじ精度・・・)
ネジの移動機構には当然ナットを使うことになりますが、長ねじ精度とはいえできるだけバックラッシュは抑えたいものです。
バックラッシュはネジとナットの隙間分の遊びで発生するので、この遊びを極力無くしながらもネジが動く程度には隙間を開けるという難儀な機構が必要です。
これにはナットにバネでテンションをかけてやるのが通例です。
バックラッシュ防止専用のナットは「バックラッシュナット」や「スプリングナット」として販売されています。
何か良い方法は無いかな?とホームセンターのネジコーナーを探していましたら素晴らしいものを発見しました。
その名も「クリップナット」です。
Amazonよりホームセンターに安く置いてあります。
これは、工具が入らない箇所でナットを固定してネジ止めをしたいというような場面で使われるナットで、ナットにクリップが溶接してあります。
この構造はバックラッシュ対策にこのまま使えます。クリップは挟むためのものですが、ぐいっと広げてやると逆に押しバネになります。
テーブルに足を生やして、両方からこのバネで足を抑え込めば上下の遊びを確保しつつバックラッシュ対策としてテンションもかけられるという機構の出来上がりです。簡単!
下から覗くと、うん!なんか適当なのにそれっぽいメカメカしい見た目が実に良いですね。
当初、「フレームは木製で複雑な部品は3Dプリンターで作ろうかしら?」などと漠然と考えていましたが、ここまでのY軸に関しては木材も3Dプリンター部品も皆無・・・現場合わせでいろいろやっているうちに何故か鉄製になっていってしまいましたorz。。。鉄の加工苦手なのに・・・
そしてY軸だけで重量5Kgオーバー・・・うそやん。。。鉄重っ
現場合わせなので設計図も無いです。。。。続く(のか?)
動画に纏めてみました。