以前の記事で注文していたコレットチャックですが、商品に問題が発生しました。
注文したのはこちらのタイプのモーター5mm軸へ取り付けるチャックとコレットがセットになっているものです。
(執筆時点で売り切れになっていたのでリンクは別物です↓)
届くまで2週間ぐらいかかったのですが、届いて開けてガッカリ・・・
なんと軸径8mmのものが届いてしまいました。
Amazonの問い合わせ窓口からメッセージを送り、コレットチャック分の半額を返金していただくという対応をしていただきました。
会社側の対応もコレット自体も問題なかったのですが、余計な時間と手間がかかってしまいました。
せっかくなので返金していただいた分に少し足して、安いだけでなくレビュー評価の良いコレットチャックを購入することにしました。
安いけれどレビューの悪いストアは、基本的にファッションから工具までなんでもかんでも様々ジャンルを取り扱い、「売れれば良い」というスタイルを取っている場合が多いように見えます。
この「Akozon」というストアは工具や電子部品といったジャンルに絞られているので割と信用が置けそうです。(あくまで個人的な意見です)
商品が届き、手元に5mmと8mmのチャックを観察しました。
長さは5mmの物が約2mmほど長いようです。
コレットナットは両方同じサイズ。入れ替えても使えるようです。
このコレットナットには一つの謎が存在します。
「ナットの裏に偏芯した穴がある」怪
Amazonの商品のレビューにもこれに言及されているコメントがありましたが、レビューを書かれた方は不良品だと思い自分でトリマーで穴を広げられたそうです。
ナットの裏を見ると、確かに内部に偏芯した穴が空いています。
そして、もう一方のものも同じように偏芯しているのでこれは製造上の問題ではなく「そういう仕様」のようです。
このままコレットを入れてナットを締めると、写真のようにナットが偏芯してしまいます。
「え?やっぱり不良品なんじゃ?」と思いましたが、そのまま締め続けると「カチン」と音がして真ん中に収まりました。
「どういうこと?」
とナットを外してコレットを出そうとしましたが、今度はコレットが外れません。
付ける予定の無いサイズのコレットを試しに付けていたので外れないと困ります。
少しパニックになりましたが、無理に外そうとせずよくよく観察すると、コレットの動きが偏芯した穴のせいで違うことに気が付きました。
これは「なるほど!」です。
コレットはこの状態でコレットナットに固定されるのが正常なんですね。
コレットナットを緩めると、強制的にコレットチャックからコレットが抜き取られて緩むことになります。
もし、コレットが抜き取られない場合、コレットチャックの中にコレットが押し込まれたまま固まってミルを固定している穴が広がらない可能性があります。
実によく出来ています。
コレットの外し方は、コレットが一番傾く方向にコレットを傾けて、そのまま奥に押し込むようにすればすんなり外れます。
外し方の説明を文字で書くのは難しいので動画で纏めてみました。
また、今回のコレットとは関係がないですが、こちらの会社のHPに掲載されているコレットナットの断面図を見ると構造が解りやすいです。
コレットナットの謎が解明できましたので、いよいよモーターへコレットチャックを取り付けます。
ざっくり、2cmぐらい入れると良さそうです。
手で押し込んでみたら先だけチョット入ったので、もっと力を入れた圧入作業が必要なようです。
万力でと考えていましたが、モーター+チャックだと長さが足りずに断念。
ならばと、ボール盤で圧入に挑戦です。
そもそも、ボール盤で圧入が出来るのだろうか?とググったのですが、先人を見つけられませんでした。出来るかはやってみなけりゃわからないってことですよね。
ドリルチャックに不要な大きめのネジを挟んでモーターの軸を押し付けます。
「ボール盤」は日本語の呼び名で、英語では「プレスドリル」と表記するようですのでプレスすることを前提としてるんじゃあないの?
ボール盤型のプレス機なるものも存在しますし、送りネジのデカさを見ると余裕でプレスできそう!
それにほら、圧入する場合にすごく便利なリミットの設定までできちゃう!!
などなど出来る理由を考えながら圧入すると、5mmぐらいはニュルリと入っていきましたが、そこからなかなか入らず・・・
えいっえいっ!と反動を付けながら力を加えていますと・・・
「バキィ」と嫌な反動がありました。
何が起きたのかわかりませんでしたが、よくよく見るとボール盤のテーブルが若干傾いています。
そして、根本に亀裂ががががぁ・・・
テーブルを外したところ、これは見事な亀裂ですね。
そして、少し力を入れるとポッキリ割れました。
これはマジショックですorz・・
というか、こんな分厚い鋳物が割れる圧力ってすごいな・・・
結論
ボール盤でプレスは出来るけれど、壊れるからしちゃ駄目!
ボール盤の修理は後日することにして、心も折れかけなので昔ながらのハンマーで叩き入れです。これが限界!どれだけ硬いねんっ!!
軸をフリーハンドでガンガンぶっ叩いたので軸ブレしてそうですが、回してみたところ意外ときれいに回ってくれたのでもうこれで良し!!とします。
動画に纏めました↓
あぁ〜、ボール盤どうしよう・・・
次に機会があれば(あるのか?)素直にコレットチャック圧入済みのスピンドルモーターを購入することにします。