経緯
先日、土間コンクリのヒビ補修を行いました。
その時に使ったのがコチラ↓
モルタル接着増強剤というもので、これをモルタルに配合すると粘着性が増してめっちゃモルタルが食いつく!というものです。
逆に、これを入れないと古いコンクリと新しいコンクリがしっかり馴染まずにすぐ剥がれてしまうそうで、本職の方に教えていただいたものです。
本職のかたはコチラのハイフレックス↓
を愛用されておられましたが、買いに行った近くのホームセンターには無かったので代替品としてこちらを選択しました。
成分を見ると同じ「エチレン酢酸ビニル共重合体エマルション」なのでOKです。
<参考>
https://matelan.co.jp/wp/wp-content/uploads/2021/07/c24c4276d0999efab3c9a402b032ce04.pdf
要するに、モルタルの中にボンド的な樹脂を混ぜて粘着力と強度を増すもので、単なる樹脂ではなく、耐水性・耐アルカリ性に優れているのでコンクリやモルタルのアルカリに耐えられます!という製品のようです。
僕の中で「コンクリへの食いつき」と聞いて思い浮かんだのが、塗料用のシーラーです↓
こちらは、主成分がアクリルとシリコンを配合した水性塗料となっており、新しいコンクリに塗る場合は数週間開けてから塗ってほしいと書かれています。
構想
実際にモルタル接着増強剤を混ぜてヒビ補修に使ってみたところ、想像以上にしっかりモルタルが食いついて驚きました。
と、ここでふと面白いアイデアが浮かびました。
これ、3Dプリンターで下地作ったら自作タイルとか出来るんちゃうの?
3Dプリンター出力品は樹脂!モルタル接着増強剤も樹脂!!
ということは!?
いい感じに3Dプリント素材に張り付いてくれればタイルみたいになるんちゃうの??
今回構想しているものは厳密には焼灼していないので一般的な焼き物の「タイル」ではありません。タイル調のモルタル素材です。
しかし、世の中にはセメントタイルというものもあるのでタイルと称しておきます。
<参考>
要するに、「PLA樹脂にセメントを張り付けることができるのか?」というのが今回の実験の趣旨です。
ネットで調べてもそんなの作っている人は現時点で見つかりませんでした。
手元にすぐに使える材料があるので早速実験してみます!
実験
面白いタイル作成の実験として3Dプリンターで穴あき下地を用意しました。素材はPLA樹脂です。
こんな穴のあいたタイルの用途はとおかく、出来たら絶対おもしろいはず!!
ついでに、上で紹介した下塗りシーラーも使えるのか?試してみることにしました。
モルタル接着増強剤を希釈せず塗ってみました。薄いボンド塗っているような感じで、既に「あ!これできそう!」という感触です。
一方、下塗りシーラーはというと、これは完全に駄目でした。
完全に水と一緒に弾いてしまっています。そもそもPLAは水性塗料で塗れないので仕方ないですね。
今回実験で使うのはこちらのインスタントセメント。
容器が汚いのはヒビ補修残骸の再利用なのでご容赦ください。
これをモルタル接着増強剤と水で溶きます。
適当な分量で配合したので思ったよりシャバシャバになってしまいましたが、シャバシャバの方が割れが発生し易いそうなので実験としては理想的ですね。^^
2つとも思ったより綺麗に塗れました。
おそらくシーラーの方は全く機能していません。
下地よりも混ぜたモルタル接着増強剤が力を発揮してくれている感じ、シャバシャバだけど塗りやすい粘度は辛うじて保ってくれています。
で、1時間程度日の当たるところで乾燥させたものがこちら↓
いい感じで硬化しています。シャバシャバ&日光でひび割れ条件がバッチリ揃っている環境です(よくよーく見ればちっちゃいヒビがありますが、気にならない程度です)。肌触りは既にタイルっぽい!!
で、少し気が早いですが曲げてみます。
シーラー側
おおーー!!
モルタル接着増強剤側
おおおーー!!
こりゃすごい!!
どちらも剥がれずに割れずに曲がります!!もはや塗料ですね!
まだ完全じゃないとはいえ、これモルタル接着増強剤が入っていなければ絶対割れてるか剥がれているはずです。
このまま完全に硬化させてみます。
続く