前回はPLA樹脂にモルタル接着増強剤を加えたインスタントセメントがいい感じに張り付きました。
今回は、続きと追加実験とその結果です。
追加実験
翌日、何も混ぜずインスタントセメントを水で溶いたものも比較してみることにしました。
水も入れすぎず、程よい硬さの状態、なおかつ乾燥は曇天という、セメントにとってすごく良い条件で行えました。
少しだけ余ったので硬化済みのセメントの上にも少し塗ってみました。
さらに、1つは少し乾燥したぐらいにトントン叩いて水を追い出して密度を上げています。通常のセメント形成方法としては完璧!!なはずです。
これで1日以上待ちます。
実験結果
百聞は一見にしかずといいます。
モルタル接着増強剤を加えていない白いセメントは曲げ始めからパキパキと音を立てて割れはじめ、衝撃を加えるといとも簡単にPLAから剥離してしまいました。
一方、モルタル接着増強剤を加えてたセメントはPLAにしっかり張り付き、土台がほぼ折れる寸前までヒビすら入らない状態で接着していました。というか、土台から剥がすにはかなり力を入れて捲らないと無理なボンド状態でした。
これは、土台にモルタル接着増強剤を塗ったものも塗っていないものも同じ結果でした。
モルタル接着増強剤は中に混ぜ込むことでその強度と接着性をフルに発揮できるようです。
また、モルタル接着増強剤を加えて硬化させたモルタルの上に通常のモルタルを載せた場合、簡単に剥がれてしまうので、先にモルタル接着増強剤を加えたモルタルがあるからといってそのまま上塗りが出来るわけではない。ということもわかりました。
実験は以上です。
考察
今回は思惑通りPLAにモルタルを貼り付けて形成物が作れたので満足な結果でした。
今回の制作物を使う場合に考えられるメリットとデメリットを挙げます。
メリット
- 好きな形状のタイルが出来る
- 土台が樹脂なので軽くなる
- 内部を中空にすることでさらに軽くできる
- 裏面形状を工夫することでモルタルで接着しやくなる
- 裏面は樹脂なので両面テープでも貼りやすい
デメリット
- 本物タイルより耐久性に劣る
- PLAの吸湿による劣化は未知
- 表面のモルタルが薄いので風化が早い
- 屋外で使う場合は表面塗装必須
- 力のかかる用途には不向き
屋内の装飾用途でのタイルとしては充分に使えると思います。
仮に、地震などで落下したときに素材が軽いというは大きなメリットになります。
<注意>この実験はあくまで個人的な興味で行い、その感想を述べたものです。
この結果を踏まえて制作物を作成し使用した場合、将来的に被る被害についてはいかなる責任も取りませんのでご了承ください。
というわけで、今回はPLA樹脂にモルタルを塗ってモルタル形成物に見せることに成功しました。
以前には、木を貼り付けて木製品に見せることもしました↓
家庭用3Dプリンターは樹脂を出力するものですが、表面的にいろいろな素材で塗装できるとその用途はより広がりますね。
ちょうど家のタイルで地味に補修(タイル追加)したいところがあるので作ったタイルに塗装して屋外でも使えるかどうか、経年劣化具合も実証実験してみることにします。
しかし、モルタル接着増強剤すごいですね!
こういったペンキの上からやっつけ仕事で塗った場所も嘘みたいに張り付いています↓