広い宇宙の中には我々の知識を凌ぐ生命体がいても何ら不思議では無いのに、どうして今までコンタクト出来ていないのか?
この問題は「フェルミのパラドクス」と呼ばれています。
これには色々な説が提唱されています。
- 実は地球人が宇宙で一番最初に誕生した説
- 宇宙に興味が無い説
- 宇宙人も地球を発見出来ていない説
- 既にこっそり来ている説
- 我々が宇宙で唯一無二の存在説
- 実は地球人をこっそり鑑賞して接触しないようにしている説
- 遠すぎてコンタクト出来ない説
- こちらに向かっているがまだ到着していない説
- 地球に魅力が無い説
- 信号の受信が出来ない説
- 恒星間移動まで文明が発達しない説
この中で、「恒星間移動まで文明が発達しない説」というのが今回の記事で取り上げるグレートフィルターと呼ばれている説です。
グレートフィルターは、文明が発展していく過程で超える事が非常に困難な壁、つまり発展した殆どの文明はこのグレートフィルターを超えられずに滅んでしまうという恐ろしい仮説です。
では、グレートフィルターはどのように文明の発展を阻害するのでしょうか?
それを身近に感じられるのが近年増加傾向にある「地球平面(フラットアース)説」を唱える方々の存在だと感じています。
人類は科学文明の初期の時代は殆どの人が平面説(天動説)を信じていましたが、ガリレオなどの科学者によって球体説(地動説)が実証されたことで今は球体説が広く信じられています。
そして今、科学の発展した人類は宇宙にロケットを飛ばし、衛星が地球の真の姿を今現在もカメラで捉えています。
研究意欲のある有志の方は「自ら地球を観察したい!」と風船を飛ばして地球の撮影にも成功しています。
このような根拠があるのですから今更「地球は平面だ!」と叫んだところで誰も受け入れられないだろうと感じるのですが、「それらの証拠は全て偽物」として新説の平面説を唱える方々が出現しているのです。
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彼らに科学的な根拠の何を言おうとも納得することはないでしょう。
科学自体を否定してしまっているのですから。
そしてなんと平面論者はブラジルでは7%も存在するというのです。
その背景には社会に対する不信感、特にNASAを目の敵にしている方が多く存在しているとされています。
人は社会に不信感を持って助けを求めている場合、隠謀論やオカルトというものを信じる傾向にあるようです。宗教の勧誘によく使われる手で、実はこれこそが「洗脳」の始まりなのですが・・・。
確かに「地球が丸いことを証明してみよ」と言われてパッと回答出来る人の方が少ないように思います。
しかも如何なる証拠を突き出そうとも、平面論者は人類が今まで培って来た科学的な根拠を完全に拒否してしまうのですから説明しようにも絶対に理解してもらえないのです。
どうやらある程度発展した科学文明は、一部の”知識として理解出来ない方”には手品のように映り「そんななずがない」「嘘だ」「騙されている」と捉えられてしまう傾向にあるようです。
先の平面説を支持している人達の多くは「科学に洗脳されている」と科学文明に対して恐怖を感じているようです。
しかしこれらは決して笑い事、人ごとではありません。
例えば、今後AI(人工知能)が発展すれば人間が認知出来ない領域(3次元空間以上の認識)はAIから教わることになるでしょう。
※現在でも人が認知出来ていなかったジャンクDNA情報から有益な情報を抽出することに成功しています。
このように人間が理解できない領域が広がった場合、いかに立派で有益な知識であったとしても大多数の人間には理解出来ない内容となるため「そんなはずがない」「嘘だ」「騙されている」と捉える人がさらに増えるはずです。
するとAIや科学に対する理解不可能な恐怖から反発が生まれ、問題の根源となった技術(AI)やそれらを扱う社会の破壊を試みたり非科学に逃げる人が必ずや今より多く出て来ることでしょう。
さらに理解不能な技術でもし事故が起きた場合には「ほらみたことか!」と非科学論者は爆発的な広がりを見せるでしょう。
そのような考えが広がって多くの人々が「科学は危険だ」という認識を持つようになってしまった時点で科学文明は放棄され終焉を迎えます。
まさにグレートフィルターです。
映画「ターミネーター」のようなロボットに滅ぼされる未来よりも、人類が自ら発展させた文明を、文明を信じられなくなった人類自らが滅ぼしてしまうという未来の方が充分にありえる話なのではないでしょうか。