DreamerDreamのブログ

夢想家の夢です。〜揚げたてのモヤっとしたものをラフレシアと共に〜

3Dプリンターの湿気ったフィラメントを復活させよう!フィラメント乾燥機を作ってみた

3Dプリンターの素材の1つであるPLA樹脂は梅雨の時期には湿度が大敵となる。

湿気を含んでしまったフィラメントはプリント出力中にプチプチと音をたて吐出不良になる、ノズルの詰まりの原因になってしまうこともある。つまりフィラメントの劣化だ。劣化したフィラメントは曲げるとすぐポキッと折れてしまう。

僕も梅雨に3日ぐらい使わずに湿度70%の部屋に放置していたフィラメントがそんな状況に陥ってしまった。

 

湿気たフィラメントを使うとこうなります↓ 

dreamerdream.hateblo.jp

 

  

Webで調べてみると”電子レンジで過熱する”、”100℃のオーブンで過熱する”。という方法があるらしい、しかしどちらもまず失敗したら溶けたり焦げたりして使い物にならなくなるだろう。

湿気ったフィラメントを復活させるには脱水する他に方法が無いらしいが・・・

一度湿気ってしまったフィラメントは水分子と強く結びついており普通の乾燥剤では復活しない(乾燥剤を入れたボックスは湿気らせない為には有効だけど乾燥させることは難しいらしい)。

そもそも諦めて捨ててしまうというのが一般的な回答のようだ。しかし、それは勿体ないではないか!と僕の中の貧乏根性が申し立てる。 

どうしたら効率よく綺麗に乾燥できるのか?と調べてみるとPrintDryという3Dプリンター素材の乾燥専用商品があるようだ。

ただ残念ながら日本では販売されていない様子。

www.printdry.com

 

そして、この商品と瓜二つということが解った。

当初、これを改造して作ろうかと思ったがもっと安くて効率の良い案を思いついてしまったのでそちらを実行することにした。

 

前置きが長くなってしまったが、先のページに商品の詳細ページがあり、ご丁寧に乾燥機序と方法が詳しく載っている。

それを纏めると

  • 一度フィラメントのポリマー鎖に結合した水分は簡単には抜けないこと。
  • 過熱によりポリマー鎖と水分子の結合を弱められること。
  • ポリマー鎖から離れた水分子は気流で飛ばす必要があること。
  • フィラメントは即座に乾燥しないものであること(時間が必要)。

と記述されており、

PrintDryでの推奨乾燥時間は

50%20℃の環境で

PLA45℃4時間

ABS60℃2時間

乾燥剤65℃3時間

 

ということらしい。

 

とりあえず難しい事抜きにすれば、

フィラメントが溶けない程度の高温(50℃〜60℃)の気流の中長時間放置する

というのが1つの答えらしい。

 

高温の気流が一番の問題、簡単に思いつくのはドライヤー?

長時間運転・・・ドライヤーだと下手したら燃えるかも〜・・・

そんな都合の良いもの手元にあるわけが〜・・・

 

家の中を見渡してみると目の前に!!

!!!!!!!!!!!!

あるではにゃいか!!!!

じゃじゃじゃーんっ!!!

ふとんかんそうきーーーー!!

そうです!布団乾燥器ならドライフルーツメーカーと比べ物にならないぐらい大容量の風量だし長時間連続駆動対応してるし、なんと布団まで乾燥させられる!(←本来の目的!!)おそらくご家庭に1台はあると思いますし無ければ梅雨の時期には便利なのでご購入をオススメします。

要はこれのノズルを布団袋ぐらいの大きな容器にぶち込んで気流を発生させれば良いのです。 

 

では容器の登場でーす!

 

じゃじゃじゃーんっ!

収納ケース!

 

ということで、家に放置していた衣装ケース(あまりにボロッちくてバキバキなので見せられないよw)に必要そうな加工をして取り付けると↓の状態になります。

f:id:DreamerDream:20170707134807p:plain

ーー作り方ーー

①衣装ケースに吸気口と排気口の穴を開ける

だけ。

 

 あとは布団乾燥器のホースをぶち込んで、一応温度湿度が見たいから百均の温湿度計も中に入れて、乾燥さえたいフィラメントや乾燥剤も入れてー

容量も大きいのでフィラメントも十個以上は余裕で入るだろう。

ただ、布団乾燥器は止まった事をお知らせしてくれないのでキッチンタイマーをセットすることにした。

 

稼働時の温度は55℃(50℃以上目盛りが無かったのでアバウト)、湿度20%程度。

これで2時間ぐらい放置しましたらー

 

フィラメント復活しました!!!!

ということで復活祭を執り行いましたとさ。

 

湿気ったフィラメントにお困りでお家に布団乾燥器がある人は是非チャレンジしてみてくださいねー。 

またこの装置は雨に濡れた靴や書類、またボンドや塗料の乾燥ボックスとしても有用だと思うので1つ作っておくと何かと便利かもしれません。

 

 

<追記 2021/01/25>

海外の方にこちらの記事が取り上げられ、効果の実証実験が行なわれていました。

動画の中では「湿度の高い国に住んでいる場合を除いて特別な保管は必用ありません」とコメントされています。なるほど、だから海外製品で除湿グッズとかあまり無いんですね。


The Japanese way of drying 3d printed filament!!

 

 

除湿後のフィラメントをさらに、格安材料で出来るフィラメントを除湿したままリリースするフィラメントバッグを手作りして愛用しています↓一度ご覧ください。

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こちらからは以上です。

 

その他のプリンタメンテナンスはこちら↓を参考にどうぞ。

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