なんだか最近3Dプリンターのベッドへの定着が安定しないなー?と不思議に思ってベッドのクリアランス調整など頑張っていたのですが、思いもよらないところがトラブルを起こしていました。
なんと、温度センサーがヒートブロックから抜けていたのです。
抜けた状態でもヒートブロックに辛うじて接しているため、一応温度は取得しているものの、指定した温度以上でガンガン加熱してフィラメントが溶けすぎ状態に陥っていたようです。
以下はヒーターの温度がきちんと取得できない状態の症状です(温度が上がりすぎて、たまにしっかり温度取得できている状態)
- 素材がベッドに定着し辛い
- 1層目の吐出量にムラが出る(層が薄くなったり濃くなったりする)
- 吐出量がやたら多いように感じる(熱ダレしている)
- 吐出量の多い部分をノズルが通過するたびに「ジュッ」と異音がする
- 出力品にゴミが付く(濃い層をノズルが通過して横に押し出された結果)
- 出力品がめっちゃ反る
- 集中力途中に剥がれてヒートブロックにまとわりつく
- 出力品に焦げが混じる
- いつもより臭う
特に、1層目ではっきりとムラが出ているのがこれまでに遭遇したトラブルと違うところでした。(写真撮り忘れ)
普通に出力しているのに、途中からめっちゃ吐出量が増えて2層目では1層目の濃い層を削りながら出力している状態でした。
また、高い温度で吐出しているため素材が反りやすくなっており、反った部分を通過するときに剥がしてヒートブロックに素材が巻き付いてしまうという状態に陥るようです。
こちらは最終的にカプトンテープごと出力された物体X
最終的に定着がうまくいった場合に出来上がった出力品自体はきれいなものなのでトラブルの発見が遅れました。
ガンガン温度が上がった状態でもキレイに出力できてしまうのはeSUNのフィラメントの力かもしれません。僕はこのフィラメントを愛用しています。
下画像はなんとかそのままヒートブロックにセンサーを戻そうと奮闘した結果、断線したセンサー↓
実はこのヒートブロック、ヒーターには固定用イモネジはあるものの、温度センサーの穴は穴があるだけで固定出来ないタイプだったようです。(下の小さな穴)
固定用のネジがどこかにあると思っていじくり回した結果断線しました^^;
この状態でも温度センサーもヒーターもまだ生きているので、断線箇所だけはんだ付けすれば再開できます。
しかし、ガンガン温度が上がった状態で使用したため、ノズルやテフロンチューブやヒーター自体も劣化していると思われるので安全を考慮して今回はセンサーとヒータ含めたヒートブロック全てを交換することにしました。
先が炭化してしまったテフロンチューブ。(無理やり引っ張り出したので先端はさらに潰れています)
根本が怪しいヒーター
ヒートブロック交換はエクストルーダーを完全にバラバラに分解します。
ステッピングモーター、エクストルーダー、冷却ファン3つ、X軸リミットスイッチ
これまで何度かバラしていますが、毎回「後できちんと組み立てられるのだろうか?」と不安になります。
交換するヒートブロックは以前にエクストルーダーのバレル部品の交換をしていたもに付属していたもので、ヒートブロックは問題なかったため交換せずに保管していたもの。
新しいタイプのものはきちんとセンサーもイモネジで固定できるようになっています。今回のトラブルでセンサーの固定は絶対に大事だと思いました。
さて、交換も終わりヒーターにテストで火を入れたところ、とんでもない温度上昇!!!
慌ててヒーターを切り確認したところ、どうやら12V用のヒーターだったようです。。。
再度恐る恐るテストをしてみました↓
ヒーターって12V用と24V用があったんですね。。。今更・・・
FETが焼ききれなくてよかった。
24V用のヒーター、14Ωぐらいの抵抗値
12V用のヒーター、4Ωぐらいの抵抗値
全然違いますね。
急いで24V用のヒーターを購入しました。
こちらの商品、ヒーターとサーモとグラスウールと耐熱テープ込み込みで2000円弱!
安い耐熱テープ(ポリイミドやカプトン)にはセロファンテープに色つけただけの偽物があるそうで、どうせお値段的にこれは偽物だろうなと思っていたのですが、ハンダゴテで溶けるか試してみたところ、どうやら本物のようです。
12V用のヒーターを取り付けたところ、50℃設定で余裕で100℃を超えていた温度ですが
24V用ヒーターでは最高70℃台で落ち着いています。
無事に交換完了です。