前回、うまく温度制御が出来ました。
ですので早速実戦してみます。
※注意
鹿肉や猪肉などのジビエは元々野生栄物なので養殖と違って抗生物質や予防薬などの薬剤を投与されていません。ですので体内に寄生虫がいないとも限りません。
必ず一度冷凍させたものを使いましょう。
冷凍ではウイルス、菌は死滅しませんが、寄生虫は冷凍すると大概死滅するとされています。
通常、食肉用の塊に菌類は表面、消化管(ホルモン)に多く、筋肉内部には無菌とされていますがそれは食肉用の肉の切った直後の話で、天然物は特に注意が必用です。
有害な大腸菌は肉塊中心温度が75℃1分以上の過熱で死滅すると言われています。
(二枚貝など、ノロウイルス汚染の可能性のあるものは85℃1分以上の過熱推奨)
それと同等の殺菌効果と言われているのが。
様々な資料を見た結果、
64.5℃では16分以上
63℃では30分以上
55℃では60分以上
というのが大まかな温度、今回は65℃を設定値としているので中心が65℃まで達するのに最低限30分以上の過熱は必要そうです。
肝炎ウイルスは70℃30分以上の過熱、98℃2分の過熱が推奨されています。
そして、低温調理の目安温度は50℃〜65.5℃
これは、お肉(筋肉)内部のタンパク質であるミオシンが変性するのが50℃以上、アクチン(アクシン)が変性するのが65.5℃以上とされているからで、このアクチンが変性すると水分が抜けてボソボソになってしまうのです。
つまり、低温調理は筋肉繊維のミオシンのみ変性させる調理なのです。
ということで、安全に安全を期してアクチンの変性温度上限ギリギリの水温65℃到達後後から2時間半の調理をすることにします。
<参考>
https://www.fsc.go.jp/sonota/hazard/H21_19.pdf
https://www.fsc.go.jp/sonota/shokutyudoku_kanetu.pdf
低温調理 63℃30分と同等の加熱温度と時間 | 減塩、低温調理はじめました。
http://kanpoken.pref.yamaguchi.lg.jp/jyoho/page5/syoudoku_4.html
鹿肉を味付けして軽く炙って投入!
スイッチ入れて65℃で2時間温めてみます。
(実験の様子)
お!グラフはイイ感じに65℃をキープしています。
ここで判明したのですが、長時間温めるほど炊飯器自体の保温が効いて追加で温める必用が無くなるようです。
青色:水温
赤色:ヒーター過熱時間
が!!
途中水温を測ってみると68℃ですと???アクチンが変性するー!まあ表面だけなら大丈夫かぁ?
おや?ラズパイは64℃を示しています。
誤差なのか?まあ誤差5℃程度までは良しとします。
そのまま続けていると
え???
水温85℃です!これは完全にアウトです!
ラズパイの温度は65℃を示しています。
お湯から上げてしばらく経つ物の、お肉の中心温度はなんと83℃!!完全にアウトー!!
Noooooo!!!
大失敗です。
しっかり中まで火が通っています。アクチンが変性して水分が抜けている状態です!
これはこれで安全!
美味しかったんですけれど、目指しているものとは全く違います。
あ〜ん(泣)
おそらく、温度計の位置が悪いのでしょう。
分解して改造することにします。