履帯の構想
前回は動力ユニットとしてギアボックスを作りましたので、
今回はそれに合った履帯(りたい)を考えてみることにします。
<Blenderで作成中の図>
しかし、この履帯の作成は実に面倒なものです。”今回のプロジェクトの壁”と言っても過言ではありません。
実は、昔にちっちゃな履帯を3Dプリンターで作ってみたことがありました。(3Dプリンターは万能だと思い込んでいた時期です。)
3Dプリンターで作った場合の欠点
そして作ってみて判明した現実・・・、
3Dプリンターで出力したものは積層方向へ剥離します。
履帯をそのまま出力した場合、劣化すれば積層が剥がれるように割れます。
結局この履帯を使う事はありませんでした・・・。
つまり、3Dプリンターで履帯を作る場合、「進行方向」と「重力」に対しての耐久性の方向が90度異なるのでどちらの方向に対して出力しても積層から剥がれ易いという問題に行き当たります。
問題解決方法はあるのか?
簡単に考えられる対策は
- 3Dプリンターで平面のものを作って後から曲げて加工する
- そもそも3Dプリンターで作らない(金属などにする)
です。
※後から曲げて加工する方法に「お湯で煮る」という簡単な方法があります。
それに加えて、履帯の地面に接する部分は3Dプリンターで作るにはあまりに無駄が多いのです。
重力に抗う必用があり、ヌカルミなどに対応するためにはある程度の厚みが必用。
しかし、厚みが必用な単純構造のものは時間がかかる割に本来3Dプリンターで作る利点を感じないものです。
履帯は何十個も作って繋げるものですので、単純構造で出力に時間のかかるものは文字通り「時間の無駄」です。
ですので、
3Dプリンターは履帯作り向きじゃない!
と言えるのです。
しかし!僕は3Dプリンターしか複雑な形状を出力する術を持ち合わせていません!(本当は旋盤とかフライス盤とかほしい!)
無い物は仕方ないので工夫で乗り切ります。
実際に履帯として機能するべき進行方向に対する複雑な形状部分のみ3Dプリンターの出力品とし、接地して重力に抗う単純形状な部分は3Dプリンターで出力させず、2×1材の「木」を利用することにしました。
(たぶん)未だかつて無い3Dプリンターと木材のコラボで作る履帯という発想です!(ドヤッ!)
何よりの利点は木を直線に切るだけだから同じサイズのものを3Dプリンターで作るより断然早いし「安い!」のです!
木だからイイ感じに衝撃も吸収してイイ感じに接地してくれそうじゃないですか?(語彙力無〜)
そしてなにより「安い!」(大事なので2回言いました。)
<PLA樹脂と木で試作してみた履帯>
試験的なので手切りしましたが、1㎝幅の木材カットは結構面倒でした。
固定はコースレッドだけど無理矢理ねじ込むと木材が割れるので(2個ほど失敗した)ドリルで下穴をしっかり開けないといけません。
これを1台あたり30数個作ることになりますorz。。。
やはり履帯作るのって大変・・・、今回の作品で一番時間がかかる所です。
売られているクローラーはゴムベルト式のものが多いのが納得です。
次回はフレーム作りです。