DreamerDreamのブログ

夢想家の夢です。〜揚げたてのモヤっとしたものをラフレシアと共に〜

ソニー製ブルーレイレコーダーの故障「BDZ-AX1000」のブルーレイドライブを交換修理してみた 中古品からの部品取り方法

我が家ではソニー製ブルーレイレコーダーBDZ-AX1000が古いながらも絶賛活躍中です。

このレコーダーはキーワード録画とか2番組同時録画など便利な機能が付いているので重宝しているのですが、この前HDDの映像をブルーレイディスクに録画しようと試みたところブルーレイが焼けない、それどころかブルーレイのディスク自体を認識しないという不測の事態が発生しました。

<BDZ-AX1000>

SONY 1TB 2チューナー ブルーレイレコーダー BDZ-AX1000

 

これには困りました。

HDD中に残してある大切な思い出のビデオカメラ映像等もバックアップ出来ないことになります。

ということで、ひとまずレンズクリーナーで修復を試みました。

 

 

 

 

ブルーレイの場合、DVDやCDとがレンズが別になっているのでブルーレイ専用のレンズクリーナーが必用になります。 

しかし、何度試みても修復はされません。

 

調べてみるとどうやらブルーレイドライブの故障は結構あるようで、メルカリ等でもブルーレイドライブのみ出品されていたりします。

 

しかもブルーレイが使えないドライブは安く出品されており、使えるドライブは1万円以上で出品されています。 

Amazonでも中古ドライブが約1万円ですね。

 

 

さらに調べてみると

BDZ-AX2700

BDZ-AX2000

BDZ-AX1000

BDZ-AT500

BDZ-AT300S

BDZ-AT900

 

これらのレコーダーに使われているブルーレイドライブが共通の「BRD-400T」という共通型番のドライブだということが判明しました。

レコーダーの型によってトレーのベゼルが違うだけのようです。

 

これならドライブ単品よりもブルーレイの動作が確認済みの上記のブルーレイプレーヤーを1万円以下で入手できたならかなりお得に部品取りが出来そうです。

しかも取り出したプレーヤーも通常のHDDレコーダーとしても使えます。

 

そこでしばらくメルカリに貼り付いていましたら、運良く動作確認済みのBDZ-AT300Sが1万円以下で出品されましたのでポチりました。

<BDZ-AT300S>

 

 

今回はそのプレーヤーの分解修理方法の自分用備忘録です。

 

お決まりですが、ここで注意事項を書いておきます。

<注意>

分解修理は自己責任になります。

このブログで紹介しています内容はあくまで私的な備忘録であり、決して機械の分解修理を他人に勧めるものではありません。

分解に際しては感電、故障、負傷等のリスクが伴います。

このブログ内容が原因で故障事故負傷などいかなる損害を負ったとしてもブログの執筆者ならびブログサービス管理会社等は責任を負いません。

 

 

BDZ-AT300Sの分解は簡単です。

5カ所のネジ(+)を外すだけです。

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蓋を開くと目的のドライブもすぐ見えますしドライブ四隅のネジを外すと取り出せます。

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問題はBDZ-AX1000の分解です。

まずは横のカバーを外しますが、これがまず☆型ネジです。

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ネジを外すと左右のパネルが開きます。

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正面から見て右のフロントカバー横のネジ(+)を一個外します。

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そうしたら、本体下と横にあるブラスチックのハズレ止めを外しながらバコッと上面カバーを開きます。

文字で説明すると難しいので図示するとこんな感じです↓(▲がハズレ止めの位置)

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こんな感じで前面の表示カバーと蓋まで外れます。(後ろから見た写真)

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ここまで外れたらあとはBDZ-AT300Sと同じ要領でカバーが外せます。

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しかし、BDZ-AT300Sは1カ所だったサイドのネジが2カ所とやはり要所要所丈夫な作りになっています。

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カバーを外すと中身は丸見えです。

長年使っているのでスゴイ埃です。

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ブルーレイドライブを取り外します。(黒い突起はネジ回しです)

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AT300S(左)とAX1000を比べると電源線の長さが違うだけです。

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赤色は単なるSATAケーブルですので、電源線の電圧と極性さえ解れば他のドライブでももしかしたら認識するのかもしれません。(今回は実験はしません)

※以前にPanasonicのレコーダーを分解したことがありますが、Panasonicに搭載されているブルーレイドライブはフラットケーブルが採用されており汎用性は無さそうに見えました。

 

電源線はドライブの根元のコネクターを引っ張れば簡単に外れます。方向も色も形状も同じ端子なので入れ替えるだけで移植の準備は完了です。

 

移植完了後のBDZ-AX1000(埃掃除済)

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故障ドライブを入れたBDZ-AT300S

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見比べてみると結構共通の部品も多そうです。

 

面白いのはAX1000がWDのHDDが採用されているのに対してAT300SがHITACHIなんですね。(中古なのでもしかしたら交換済かもしれませんが)

 

どちらもHDDは単純なSATAドライブですので2TBなど大容量のHDDに交換して録画容量を増やすことも簡単に出来そうです。

 

今回は以上です。

Elecrowの5インチHDMIタッチパネル液晶ディスプレイを使ってみた

こちら、Amazonから入手出来るElecrowのタッチパネル液晶ディスプレイです。

 

 

このディスプレイ、RaspberriPi用に作られた静電容量式のタッチパネル搭載の非常に優れたディスプレイだということです。

但し、ラズパイ同様に基板剥き出しなので扱いには注意も必用です。

 

梱包は丁寧に緩衝剤で包んであります。

肝心の液晶パネルは保護フィルムの上にさらにフィルムを重ねてある徹底ぶりです。

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今回はこのディスプレイの保護フィルムは勿体ないのでそのまま使う事にしました。

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保護フィルムを剥がす為のテープだけを除去しました。

 

付属品はインストールCDの他、説明書、サービスカード、USBケーブル、HDMIケーブル、ミニHDMI変換端子、基板用の足と至れり尽くせりの内容です。

HDMI端子にはカバーもきちんと付いています。f:id:DreamerDream:20200727120603p:plain

 

ディスプレイ用の足はこのように基板を浮かせて置けるので基板を傷めず安心してディスプレイ表示を試す事が出来ます。

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このディスプレイ、このままRaspberryPiに繋いだだけでも機能するのですが、そのままでは640×480サイズの表示が800×480に横に引き延ばされてしまいます

このままでも使えなくは無いのですが、少し違和感がありますので説明書の通りにSDカードの内容を書き換えます。

 

RaspberryPiの起動用SDカードのboot領域にconfig.txtというテキストファイルが存在しているのでそのテキストの一番下に下記内容を書き加えるだけです。

ラズパイ側からは直接設定出来ないみたいなのでSDカードを別のパソコン等で編集します。

※説明書での説明

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説明書での説明をそのまま打ち込むのは手間なのでElecrowのサイトからコピペするのが楽です。

<Elecrowのサイト>

HDMI Interface 5 Inch 800x480 TFT Display - Elecrow

<抜粋>

# --- added by elecrow-pitft-setup ---
hdmi_force_hotplug=1
max_usb_current=1
hdmi_drive=1
hdmi_group=2
hdmi_mode=1
hdmi_mode=87
hdmi_cvt 800 480 60 6 0 0 0
dtoverlay=ads7846,cs=1,penirq=25,penirq_pull=2,speed=50000,keep_vref_on=0,swapxy=0,pmax=255,xohms=150,xmin=200,xmax=3900,ymin=200,ymax=3900
display_rotate=0
# --- end elecrow-pitft-setup ---


SDカードをRaspberryPiに挿して起動したら完了です。

 

640×480の時の表示(斜めだけど)

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800×480の時の表示

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きちんと設定すると表示領域が増えるので使い勝手も格段に良くなります。

 

 

 

ディスプレイも基板剥き出しだと使い勝手が良くないので3Dプリンターでケースを作りたいと考えていましたら、Thingiverseにそのものズバリのケースを公開してくれている先輩を発見しました。 

www.thingiverse.com 

www.thingiverse.com

 

これらの5インチ用のデータを有り難く利用させてもらって作ったケースがこちらです。

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なかなかイイ感じです。

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RaspberryPiと繋げるとこんな感じになります。

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ラズパイをディスプレイの後ろにマウントすることも出来ますが・・・、少しケーブルが目立ってしまいます。

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ともあれ、きちんと使えるので良しとします。

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やはり3Dプリンターは便利ですね。

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ということで、今回はラズパイ用タッチパネルディスプレイの紹介でした。

 

 

3Dプリンターでロボットハンドを作ってみた② ギアを追加してパワーアップさせてみた

前回、ロボットアーム先端用のロボットハンドの動作実験をしました。

 

いろいろ課題を見つけたものの稼動性は良かったのでひとまず実験成功。

ということで、このモデルデータを元に改良バージョンを作りました。

<前回のもの>

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改良点

新(右)旧(左)比較です。

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ぱっと見た目的には新型のハンド部分の形状が違います。

中身は他にもいろいろと弄っています。

 

<改良点>

  • 前回1/5の5段の減速だったものをパワー不足のため、さらに1段増やして6段にして1/15625という減速にしました。
  • ギア自体を薄くしてあるので本体は2mm薄くなりました
  • ヒンジ部分のパーツを太く補強しました。
  • 固定具改良で組立時の稼動部にワッシャが不要になりました。
  • モーターが他のギアに干渉しないように初段ギアに傘を付けました
  • 稼動域の取得のため10kΩのポテンショメーターを設置しました。

<ポテンショメーター>

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動作

動作の様子です。


3Dプリンター製ロボットハンド(改良型)

 

動作速度は遅いものの、このぐらいのパワーがあればロボットハンドとして充分に使えそうです。

前回5Vだと動きませんでしたが、可動部分の見直しで今回は5Vから動作するようになったので部品の稼動性も良くなっているようです。

 

実験中にギアが欠けたこともパワーの強さを物語っていますね。

この分だと最終段はもう少し厚くしても良さそうです。

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データ 

パーツのデータを備忘録として残しておきます。

 <Googleドライブ>

RoboHand-v2 - Google ドライブ

 

組立は前回のブログ同様です。

 

このようにトライ&エラーで物を作れるのが3Dプリンターの醍醐味ですね。

 

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3Dプリンターでロボットハンドを作ってみた① ミニDCモーターを利用して減速機から自作する

以前からロボットアームに興味が出て来てそのための減速機をいろいろ調べて実験していましたが、現時点ではあまり満足な減速機は出来ていません。

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今回はロボットアームの先端部分のロボットハンドだけを普通のギアを使って作りました。

<動作の様子>


3Dプリンターでロボットハンドを作ってみた

まず実験として動いてくれたので、備忘録として残す事にしました。

また何方かのお役に立てましたら幸いです。

 

今回使用ているフィラメントはこちら、eSUNのPLA+の「赤銅色」です。 

eSUN PLA Lite フィラメント 1.75mm, 3Dプリンター用フィラメント アップグレード PLA フィラメント、寸法精度 +/- 0.03mm, 1KG スプール (2.2 LBS) 3D プリンター用フィラメント、ファイヤーレッド

こちらのeSUNのフィラメントは以前に紹介していましたが、かなり使いやすくて気に入りましたので今回は色違いをリピート購入です。

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赤銅色という色を知らなかったのですが販売ページの画像で見るより実際に見ると落ち着いたシックな赤色なので結構気に入りました。

 

 

今回作ったロボットハンドのサイズはこのぐらいです。横幅12センチ強というところでしょうか?

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使用モーターはAmazonで「ミニモーター」として売られている安いモーターです。

 

僕はDVDドライブから取り出したモーターなので詳細不明ですがどうやらサイズ的には同じものです。

定格5V仕様だそうですが、ロボットハンドでは12Vで動かしています。 

 

ロボットハンドの先端なので出来るだけ軽いモーターで動かしたかったのですが、結局減速機で本体が重くなっているので素直にサーボモーターを使った方が良かったのかもしれません。

ですが、せっかく設計したのでこれをベースに改良してより軽くより使えるようにしたいと意気込んでいます。

 

データ

データは.stlファイルで纏めています。

<Googleドライブ>

RoboHand - Google ドライブ

データはBlenderで作成しています。

 

 

組立

使用ネジは全てM3ネジ(殆ど30mm)

モーターギアは一番小さいギアを入れます。

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ただ、潤滑剤を他のギアに塗布して使っているうちに滑ってしまうようなのでナイロンやビニール等を軸の間に挟んだ方が良さそうです。

細い軸にしっかりと止めるにはPLAだけだと難しいように思います。

 

メインになるギアは5枚あり、それぞれが1/5で減速するので最終的に減速比は1/3125になります。

非力で高回転なモーターなので最低限物を掴むにはこれぐらい減速は必要なようです。

パワー的にはスピードを犠牲にしてもう一段足しても良いぐらいです。

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ギアは「gires_main_01〜06」まで下から順番に重なるように、またセパレーターを間に挟みながら組み立てます。

同じ減速機ですが上段になるほど圧力が強くなるので厚くなるよう設計しています。

 

最終段は3㎝の同じギアを合わせます。

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ハンドを開閉するためのM3ネジをギア内側から飛び出させて左右対称の同じ角度になるようにセットします。

 

外の支柱は2個イチです。3Dプリンターで出力しやすいよう分割しています。

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微妙に切れ目がある方が根元になるのですが、どちらでも良さそうです。

可動部分のパーツが細すぎるは今後の改良点として挙げておきます。

 

可動部分には全てM3ネジのワッシャを入れておきます。

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ワッシャが無いと本体との摩擦でスムーズに動きません。 

 

ハンド開閉用のネジ部分にスペーサーを入れます。

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ハンドの動力部分をこの向きで組みます。

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このように上下左右対称になるように組みます。

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先端クリップ部分も同じように上下左右対称にネジで固定したら完成です。

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先端部分に滑り止めのゴムを付けるとより実用的です。

 

 

今後の改良予定

  • 稼動部をもう少し太く補強する
  • 先端クリップ部分は本体の高さより1ミリ小さく設計していたがその必要はないので辞める
  • ネジを強く締め上げるとギアが硬くなるのでもう少し遊びを多く作る
  • ギア自体に思ったほど負荷がかからないことが解ったのでギアをもっと薄くする
  • もう一段減速させる
  • 角度センサー用のボリュームを取り付ける

 

今回は以上です。 

 

 

 

 <続き>

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温度設定付きの格安ヒートガンは実際に使えるのか? 表面実装基板のチップを剥がす実験をしてみました

今回は新しく手に入れたヒートガンをレビューします。

 

 

 

ヒートガンは車の樹脂ボンネットの修理、塗装後の乾燥から樹脂パイプ曲げ、シール剥がしに3Dプリント後の成形に熱収縮チューブの収縮、台所の脂汚れ取りに曲げ木にガジェットのシール部分の分解などなど・・・DIYではいろいろと可能になる便利アイテムです。

 

前から欲しいなと思っていたのですがドライヤーでも代用出来るしなーと躊躇していました。

今回、この温度設定&デジタル温度表示付きのものがお値打ち価格で出ていたので思わずポチっとしてしまいました。

構造自体は単純なので日本製で無くても問題無さそうですが今まで温度設定が出来るものは高価なので手が出せませんでした。

 

このモデルは温度設定が出来てしかも付属のパーツが最初から多いのでパーツを買い足さずとも使えます。間違いなくお買い得と言えるでしょう。

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多種ノズルの他にシール剥がしに使えるスクレーパーも付属しています。

 

説明書の日本語も細かい言い回しなどを除けばきちんと読めるものです。

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ヒーターを立てた状態で使えば両手が空きます。

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一点だけ謎なのが、何も無いのに何故か外れる吸気口のふた。

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粉塵の多い現場では別にフィルターが取り付けられる?ということでしょうか?

 

Amazonの商品レビューで「温度がそんなに上がらない」というものがありました。理由は木が焦げないからだそうですが・・・情報がアバウトなので実際にテストしてみました。

 

300度設定で排気口の温度を計測。

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168度?ん?風が出ているので正確に計測するのは難しいようです。

 

600度設定にすると内部のヒーターが赤く光っています。

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600度というのがどこの温度のことなのかは解りませんが、ヒーターの色的には600度ぐらいは出ていそうな光り方です。

 

ヒーター部分を計測しようとしていますが、

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発赤しているので少なくとも400度以上はあると思うのですが、やはり風に邪魔されて直接の計測は無理なようです。

 

試しに3DプリンターのPLAフィラメントを過熱してみました。

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これは一度熱を帯びると余裕でどろどろに溶けていますので200度以上は確実に過熱されていますね。


ヒートガンでPLAフィラメントを溶かす実験

(これ、後で掃除が大変でした・・・)

 

 

前からやってみたかった半田を溶かすということもしてみました。


ヒートガンで表面実装基板の部品を外してみた

半田も溶けましたので300度台までは間違いなく過熱されているようです。 

しかし風量が結構あるのでチップが軽く飛ばされてしまいます。

 

特に用途無く外したチップ達です。

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このゴマ粒大のチップは再利用出来る気がしません。

 

このヒーターはスイッチをOFFにすると一定時間冷却してからファンの電源が切れる仕様のようなのですが、それだけでは冷却不足なので以前に購入した卓上扇風機がここで約に立ちます。

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やはりこの扇風機はなかなかお勧めです↓

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熱だけでなく風が出るので正確な温度測定は出来ませんでしたが半田が剥がせるなら問題無いでしょう。

この価格でこの性能なら充分使えるヒートガンです。

 

 

RV減速機の仕組み サイクロ減速機と遊星歯車を組み合わせた減速機を3Dプリンターで作ってみた記録

前回、偏心軸0.5mmのサイクロ減速機を作ってみました。

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しかし回ることは回るけれど、非力なモーターでは回しにくいものでした。

 

そのままのモーターを使おうとすると一段目にさらに減速機が必要そうです。

ただ一段目に減速機を取り組んでしまうとサイズや軸が大幅に変わってしまいます。

 

軸を変えずに減速するには遊星歯車減速機を使うことが思いつきますが、サイクロ減速機の前段に遊星歯車減速機を入れるとすると、「じゃあ全部遊星歯車減速機で構成した方が簡単で良くない?」ということになります。

 

せっかくサイクロ減速機を作ったんだから何か方法は無いか?と調べてみますと、ナブテスコが出している「RV減速機」というものが目に留まりました。

「一段目に遊星歯車減速機を使ったサイクロ減速機」です。

ナブテスコ社 HP>

RV紹介 | 製品 | ナブテスコ株式会社 精機カンパニー

 

百聞は一見に敷かずと言いますので↓


Rv principle English 1

しかし、僕はこの動画を見ても当初よく解らなかったのです。

遊星歯車が回るタイミングと同じタイミングで出力されているから、「じゃあ遊星歯車減速機でいいんじゃないの?どういうこと?」と謎でした。

 

見よう見まねでモデルを作り出してからようやく動きを理解することが出来ました。

 

 

解りにくかったのでRV減速機の構造の理解を以下に纏めました。

 

 

RV減速機の理解

まず、遊星歯車減速機は外歯車に遊星歯車を押し当てて減速しています。

<遊星歯車減速機>


遊星歯車【マルチ】の動作(切替機能)

 

サイクロ減速機も外歯車に内歯車を押し当てて減速しています。

<サイクロ減速機>

 

アクリル組み立てキット「サイクロ減速機」

 

上の2つの減速機の動きをしっかり頭に入れておきます。

 

遊星歯車減速機は、遊星歯車を太陽歯車と丁度噛み合う位置に配置して固定することで全部の遊星歯車が歩調を合わせて回転することになります。

この「遊星歯車は全て同じ位置に固定されているもの」ということが以降の理解で大事になります。

 

サイクロ減速機は、内歯車が回転ではなくスライドすることで外歯車の影響を受け、結果として回転します。

 

遊星歯車が回転する軸を偏心させて、且つ偏心するタイミングを全て同じ向きに揃えてサイクロ減速機の内歯車に取り付けると、サイクロ減速機の内歯車は遊星歯車の偏心に合わせてスライド運動をすることになります。

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遊星歯車は複数枚あっても、偏心軸を同調させることにより、同じタイミングで回転すると同じように偏心するので結果として同じ場所に位置する。ということになります。

 

 

遊星歯車で偏心させると、サイクロ減速機の一軸のみの偏心ではなく複数の偏心軸が同時に内歯車をスライドさせるので、力が複数の軸で分散された状態で内歯車を外歯車に押し付けます。

結果、一つの偏心軸へ対するの負担が軽くなるのです。ベアリングを用いない構造の場合、これはかなりの利点となるでしょう。

 

RV減速機は遊星歯車の公転運動をサイクロ減速機の入力として扱うのではなく、遊星歯車の自転をサイクロ減速機の入力として扱う事で動作しています。

遊星歯車の公転運動はサイクロ減速機の出力と同調しますので、RV減速機は遊星歯車減速機の外歯車がありません。

 

以上です。

 

 

作成の注意点

遊星歯車の偏心のタイミングをモデリングの時点でしっかり合わせて、組立時に解りやすいようにマークしておく必要があります。

遊星歯車の回転タイミングが合わないと太陽歯車と遊星歯車がうまく噛み合わないだけでなく内歯車のスライド運動が出来ません。

 

 

実際に作って動かしてみたものの動画がコチラ↓ 


RV減速機の仕組み

 

この減速機の構造上組み立てながら動かすという方法が出来なかった(組立中に固定出来ない)ため、動かした後に分解して説明という型になっています。

 

初回のサイクロ減速機の実験動画よりかなり実用的な構造になってきましたが、今の所狙っているようなトルクは出せていません。

この辺が3Dプリンターで作る構造の限界といった所だと僕は感じました。

 

今後はさらに実用的な最初からトルクのあるモーターに変更して今までの実験を元に新しい構造で造型していこうと思います。

3Dプリンターで偏心0.5mm、変速率1/50のサイクロ減速機は作れるのか?という実験 家庭用3Dプリンターの限界に挑む

多段式のサイクロ減速機を試作して何度か実験してみて解ったことがあります。

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前回の実験から判明したこと

  1. 偏心が大きいと歯車同士が衝突してエネルギーロスが大きくなる
  2. 偏心が小さすぎると歯車が滑ってうまく動力が伝わらない
  3. 外歯車には回転力が強くかかる
  4. 回転機構の無い外歯車は摩擦が大きくなるのでサイクロ減速機向きではない
  5. 高回転&低トルクのモーターで回すには出来るだけ一段目の歯車を軽くする必要がある
  6. 高回転モーターの場合、振動が致命的なので180度相違の2枚歯車式にしてバランスを取った方が良い

 

以上のことを踏まえ、再度モデルを作り直しました。

 

  • 偏心を出来るだけ小さくする(3Dプリンターでの実現範囲で)
  • 外歯車を回転機構にする
  • 内歯車を軽くする
  • 1段の2枚歯車式にする

 

 

Blenderでモデリング中

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緑の縦長の棒が3Dプリンター用フィラメント(直径1.75mm)です。細かーい!

※モデル途中のものであり、作成機はこのモデルではありません。

 

出力用のピンにもリングを取り付けました。

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内歯車が軽くなるように肉抜きをすると、結果的に表面の部品同士の接地面積が減ることになり抵抗が軽減されることになります。

厚さ2mmで肉抜き部分は1mmです。

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入力用のコアは2枚の内歯車を180度相違の偏心0.5mmで組み立てるので上下1mmの差のコアが完成します。

2mmずつの合計4mm。

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下コアには先にリングを入れておかないと後からは入らないので注意。

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外歯車は3Dプリンターのフィラメントをそのまま使い、回転出来る程度に保持するという機構にしました。

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8mm50個

 

最初作ったモデルの穴は小さすぎてフィラメントが全く回りませんでした。

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結果として、手で支えていると回るけどフィラメントを入れると無反応になる。

という悲しい結果に・・・↓


3Dプリンターで作るサイクロ減速機実験動画

 

 

作り直したものがコチラ↓

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結果、狙い通りフィラメントは回転してうまく動いてくれました。


偏心0.5mm、減速比1/50のサイクロ減速機が3Dプリンターで作れるのか?という実験

 

動画では最初から綺麗に動いているように見えますが、内歯車はヤスリで削って結構調整しています。

当初2段式をと考えていましたが、外歯車のフィラメント50個カットするのに心が折れかけたので1段のみの実験としました。

 

出力した部品たち↓

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なにが何だかよくわかりませんが、自分用の備忘録としてGoogleドライブに部品データを残しておく事にします。

 

※面倒くさいのでどこに何の部品を配置するかなどは記しません。誰が使っても良いですが、いい加減な名前もついていますのでその点はご容赦ください。

<Googleドライブ>

CycloGire-3DPrinter-1-50 - Google ドライブ

 

今回、

実験結果としては大成功!

ですが、実用とするにはまだ課題が残されています。 

 

課題

  • 電源投入後すぐ回転することもあれば固まっていることもある
  • 逆入力がうまくいかない
  • トルクが小さ過ぎる

 

今回の実験から解ったこと

  • 偏心の大きいものは高回転のモーター向きではない
  • 最初の入力にはある程度のトルクが必要になる(今回のモーターは小さ過ぎる)

入力用のモーターが非力すぎるのもネックなので変えようかなと思案中です。

 

今回は以上です。

 

 <次回>

dreamerdream.hateblo.jp

 

 

Amazonが「ロボットアームなんて1万円以下であるんだから無駄な実験なんかせずに買っちゃえよ♡」と誘って来る。

あ〜、心が折れそうです。 

DiyStudio 6自由度ロボットアームDIYキットアルミメカニカルアームジョーArduinor MG995サーボドライブバルク(結合する必要があります)は日本語の組み立て説明書を送ることができます

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